ミステリなスイーツ
甘い謎解きアンソロジー
2024年6月15日 第1刷発行
2024年7月22日 第3刷発行
作品紹介・あらすじ
濃厚なチョコレート、あたたかなスコーン、とろけるようなプリン……おいしいスイーツには謎解きがついてくる!
デパ地下の和菓子店に訪れるお客さんの謎めいた行動の理由、家庭科準備室で消えたチョコレートの行方、オフィスで饗されるアフタヌーンティーに隠された秘密など、5人の人気作家による、スイーツにまつわる物語を詰め合わせました。
甘いスイーツと謎解きを、どうぞたっぷり召し上がれ。思わず顔がほころぶ口福なミステリアンソロジー!
①坂木司 和菓子のアン
進学も就職もせず、デパ地下の和菓子屋さん”和菓子舗・みつ屋”でバイトをすることを自分の意思で決めたポッチャリ女子、梅本杏子18歳。練り切りがとっても食べたくなる話。
”おとし文”という名の練り切り。
今まで気にしたことかなかった。
和菓子の蘊蓄好きに、梅本杏子シリーズが他にもあるそうだ。アンと青春、アンと愛情、アンと幸福、そのうち読んでみようかな。
anthologyは知らなかった作者さんを知るのに良い機会♪
初夏の生菓子
オトシブミが若葉に産卵し、葉っぱをゆりかごのようにくるっと巻いて地面に落とす様子を模しています。
平安時代に、密かに想いを伝えたい人の近くに落とし、拾わせた巻紙の恋文が「落とし文」。
オトシブミという昆虫が、産卵の際につくる葉が、まるで恋文の「落とし文」の様に見えることから、この菓銘がついたと言われています。
②友井羊 チョコレートが出てこない
フォンダンショコラは、プロが作った方が美味しいに決まっている。学生さんが遊びで作ったものに比べたらね。
手造りチョコが苦手な私の意見ですが。
③畠中恵 チヨコレイト甘し
明治23年頃が舞台。
お人好しの真二郎に幸あらんことを。
牛酪をバタと読ませたり、アイリッシュシードケーキ、スコットランドショルドプレッケーキ等、明治時代の西洋風がイイカンジで雰囲気出ていた。
④柚木麻子 3時のアッコちゃん
2022年2月に既読。
そうそう”いもや”に行ったきっかけにもなった話でもある。
想像力は誰でも持っている素晴らしい力、確かにね。
⑤若竹七海 不審なプリン事件
”御子柴くんの甘味と捜査”の五つの短編の一つ。
長野県警から警視庁に出向している御子柴将(ミコシバススム)。
長野のお菓子がどれも出てくるらしい。
今回は、軽井沢プリン登場。
5人の作家さんの中では、一番ミステリーぽい?
スイーツとミステリーは、どうしても甘さに偏りがち。