横浜ネイバーズ 岩井圭也

2023年4月18日 第一刷発行

 

作品紹介・あらすじ

横浜・中華街、四川料理の名店「翠玉楼」は来月で閉店を迎える。いずれはオーナーの座を継ぐつもりでいたロンこと小柳龍一は当てが外れ、毎日することもなく、ぶらぶらと暇を持て余していた。二十歳を超えたからって、まだ将来なんて決められない。そんな働く気も夢も、何もない彼の元に次々と厄介事が持ち込まれる。それはロンが〈山下町の名探偵〉と呼ばれていたからだ。「何も手にはもっていないけれど、それでも」──大きな共感を集める等身大のヒーローが誕生!

 

"親仁善隣”(シンジンゼンリン)

横浜中華街のシンボル的存在である「善隣門」の裏側には、この言葉が記された扁額が掲げられている。

中国の歴史書『春秋左氏伝』に由来する言葉で、「隣国や隣家と仲良くすること」を意味する。

クローバーチューリップクローバー

主人公のロンは、横浜中華街にある閉店する予定の四川料理”翠玉楼”の2Fで祖父・良三郎と住んでいる二十歳のフリーター。

ロンの幼馴染のマツ(趙松雄ジャオ・ソンシオン)は洋洋飯店の息子。

同じく幼馴染のヒナ(菊地妃奈子)は引きこもり。いくつもの人格を変えてSNSをやったり、株取引をやったり。

岩清水欽太(29)は、兄貴分のような存在で神奈川県警刑事部捜査一課勤務。

 

1話目は、高校の同級生・山県あずさ(ラッパーの凪)の相談。

ヨコ西で自殺した妹かすみ(17)の自殺理由の解明。

かすみの後輩の涼花(高一)もスタメンみたい。

ヨコ西とは横浜駅西口周辺の事らしい、作者の造語かしら。

新宿の歌舞伎町東宝ビル周辺のトー横あたりとイメージは同じかな。

市販の咳止めには覚醒作用を引き起こすエフェドリン、コデインが含まれているとのこと。依存性もあるから問題になっているというニュースもあった。最近はニュースでみないがどうなったんだろう。

 

2話目は、課金問題。

元アイドル・伊能優里香(稲尾ユリカ)の夫の問題でもある。

推しに投げ銭という多額の課金は依存症という病気でしょう。

 

3話目は、中華街での爆弾テロの話。

いかにもTVドラマになりそうなシチュエーション。

 

4話目は、特殊詐欺の問題。

10代の子を受け子に使って荒稼ぎする詐欺グループ。

受け子の報酬は100万奪った内の5%の5万だそうだ。

例え掴まってもやれといわれたからやっただけで罪の意識が低いようだ。詐欺はなくならないものだと再認識。

小学校で犯罪とはということをしっかり教えた方がいいのかな。道徳の進化版ね。

 

グッド・ネイバーズとは善き隣人たちという意味。

この物語のテーマは、親仁善隣。

すべての隣人に等しく、仲良く。

これを目指しているのね。

中華街というのがちょっと皮肉っぽいわ。