「おもいをこめて手をふろう」・舟木一夫(2) | komageta0123のブログ

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御三家(尾張、紀州、水戸)は江戸時代、徳川将軍家に次ぐ地位を持っていた3家のことですが、1960年代中盤の御三家は「潮来笠」の橋幸夫、「高校三年生」の舟木一夫、「君だけを」の西郷輝彦 でしたね。この3人の中で私は、甘く憂いを含んだ歌声で叙情的な香りのする舟木一夫さんが一番好きでした。

 

「舟木一夫」になるはずだったのは橋幸夫⁉︎

元々、遠藤実さんの弟子だった橋幸夫さん。作曲家遠藤実さんは自分の弟子の中から歌手デビューさせるなら、絶対に左右対称の「舟木一夫」という芸名をつけようと考えていたと言います。しかし、橋さんはコロムビアのオーディションに落ちてしまい、遠藤は悔しがって、ビクターの尊敬する吉田正さんのもとにレッスンに通わせることにしました。その後、橋さんはビクターから「潮来笠」でデビューし、大成功します。

そんなわけで「舟木一夫」は眠ったままとなりましたが、その後に弟子入りした上田成幸少年が、「舟木一夫」を名乗ることになりました。

 

そんなエピソードもあった舟木さんですが、恩師の遠藤実さんと別れなくてはいけない時がやってきます。遠藤さんはミノルフォンレコードの創設のためにコロムビアを辞めることになり、その別れに際して舟木さんに贈った曲が「おもいをこめて手をふろう」でした。

 

♫ 夢がありゃこそ     この道を

    君は別れて       ゆくんだな

    ぼくはほんとに     さみしいぞ

    ・・・・・・

    思いをこめて      手をふろう

    あしたの君の      しあわせに

                                              西沢爽・詞      遠藤実・曲

ギター一本でのイントロが、寂しさ、悲しさを奏でます。舟木さんの歌としては珍しい曲調です。いわば古賀政男の「影を慕いて」や船村徹の「別れの一本杉」などの名曲に連なるものといえるのではないでしょうか。

この曲は、もっと深読みするならば当時のレコード会社専属時代、西沢爽さんが盟友・遠藤実を見送る最後の共同作業であったとも言えるのです。遠藤の別れの挨拶の手紙にたいする西沢の返答としての色紙には「どこにいても僕はきこえる、君の豊かな叙情の歌が。どこにいても僕には未来の森を切り拓く、君のするどい斧のこだまが。」

無私の笑顔とともに、遠藤を激励したものでした。

 

私は舟木さんの歌の中では、大ヒットしたものはもとより、B面のものにも好きな曲が沢山あります。たとえば、「淋しい町」「水色のひと」「はるかなる山」「夕月の乙女」「はやぶさの歌」「さんざしの花咲けば」などです。  ・・・若かった日々がよみがえりますね。

 

🌟 舟木一夫 その他のヒット曲

    「あゝ青春の胸の血は」「涙の敗戦投手」「君たちがいて僕がいた」「花咲く乙女たち」「北国の街」「あゝりんどうの花咲けど」「高原のお嬢さん」「哀愁の夜」「絶唱」「夕笛」など多数。