皆様、お元気ですか。
もうすぐ春ですね。
先週の日曜日のことです。たまたま一人だったので、なにを思い立ったのか映画に行きました。(一人映画・・・・高校以来かも)
60才からは日曜日でも、一人でも1100円とのこと。また、手続きをすれば6回行けば1回無料とか。実にすばらしいシステムです。
この前までマスコミでワーワーと騒いでいた「ボヘミアン・ラプソディー」です。
行く前に、家で、お気に入りのシングルモルト、ボウモワの12年物をペットボトルに仕込み、コンビニで氷の入ったプラスチックのコップを二つも買いました。チェイサーも忘れません。そして、お気に入りのチーズとセサミをカバンに忍ばせます。用意万端です。
阪神電車、九条駅から3駅で難波に着きます。九条駅のホームでスーパードライのロング缶で電車を待ちます。

映画館の中は少し、小さい感じがしましたがシートはゆったりしていて、前も驚くほど広いです。思いっきり足も伸ばせます。
当たり前ですが、音響も最高です。少し、耳の悪い私は、家ではよくテレビの音量をさげろと叱られますがここではお構いなしです。ベースとドラムの振動が心地良く、体内に響きます。
この映画のキーマン(鍵となる人)の出身が北アイルランドのベルファストとわかるシーンがあります。アイラ島のボウモワとベルファストはノース海峡を挟んで目と鼻の先です。
昔読んだ高村薫の「リヴィエラを撃て」をふと、思い出しました。主人公はアイルランド紛争時のIRA(アイルランドの民族主義過激派武装組織)のメンバーでした。この小説でも、ベルファストとウイスキーの飲むシーンがよく出てきました。

映画の物語の良さなのか、曲の良さなのか、酒に酔ったのか、途中からは涙が止まりません。そして妙に、男と男のラブシーンが頭に残ります。何年か前にBSでやっていた映画「イヴ・サンローラン」と同じ匂いがします。そして映画はクライマックスのライブシーンへ。本物の映像もうまく組み合わせています。
エンドロールが終わるまで誰も席を立ちません。
二つ目のコップに少し残ったボウモワをチューチューと音をたてながら吸い込み席を立ちました。

時計を見れば2時半、少し早いですが夕食にしようと高島屋に入りました。
いつもは行列でいっぱいのお好み焼き、「福太郎」も席が空いています。
生中とお好み焼きを注文します。向こうのカウンターで若い女性グループが、千円足らずのお好み焼きをゆっくりと召し上がっています。ドリンクも水です。(こりゃ、行列できるわ。一日、何枚売れんのかな?家賃、ナンボなんかな?・・・・)いらん心配をします。
そー言えば、4人の店員も何と無く覇気がない。二杯の生中を飲み、お好み焼きの次はネギ焼きです。グラスワインの白も注文します。

ネギ焼きも食べ終え、やがて、手持ち無沙汰の店員の一人と目が合いました。
「どこかの帰りですか?」と店員。
「うん、映画、クイーン、よかったで。」と私。
「あっ!僕、明日、嫁といくんですよ!」
「そう、ええね。」
「嫁が看護師でおごってくれるんです!」
「そう、尚、ええやん。」と言いながら、心の中では(関係ねーし・・・・)とごちながら二杯目のワインを飲み干し席を立ちました。


平和です。
近代日本において、戦争のなかった平成が終わりを告げようとしています。