歌舞伎月刊誌「演藝画報」が明治40年(1907年)に刊行され、大正、昭和になって「演劇界」が引き継ぐ形になり、

平成、令和と1世紀以上にわたって歌舞伎と共に歴史を刻んできました。

 

その歴史が今年四月号をもって幕を閉じることになりました

 

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歌舞伎をご覧になっている方や歌舞伎をこれから知っていただく方にとって

 

最高のバイブルであり、観劇記念でもあり、ナビゲーターでもあります

 

我々演者にとっても勉強になる大事な資料で、僕の家の本棚は祖父の代から譲り受けた演藝画報と演劇界が占領しています

 

昔上演されお芝居で上演が途絶えているものは、演劇界、演藝画報を頼りに復活上演の力になっています

 

曽祖父・七代目幸四郎が幸四郎襲名で一度だけ上演された

 

「碁盤忠信」

 

というお芝居を100年振りに復活上演する機会がありました

 

2011年12月日生劇場でひ孫にあたる松緑さん、海老蔵さん、私の3人での興行でした

 

しかし

100年前の上演、一度しか上演されていないこともあり資料が皆無に近い状態でした

 

そこで

演藝画報で上演された号を探し、役者の扮装、芝居の演出が詳細に書かれている「芝居見たまま」を熟読し

 

白黒の扮装写真から色の具合、数行の衣裳の文章から生地の推理をして復活上演されました

 

演劇界は歌舞伎作品を復活した立役者です

 

他にも限りなく助けらてきた演劇界

 

そして

役者の思い、作者の思い、研究家の思い、御見物の皆様の想いを発信する場、演劇界

 

時代の変化、新型コロナ禍に立ち向かっている歌舞伎

 

芸術でありながらも、エンターテイメントとして存在し続けている歌舞伎の一部に演劇界はあります

 

必ずや必要不可欠なものだと多くの方に思っていただける時代にしたい

 

凄くて

カッコよくて

美しくて

面白くて

摩訶不思議で

泣いて

笑って

豊かになるファンタジーの世界を作っていきます

 

歌舞伎に対しての厳しい現実を受け止めて前進していきます

 

先日「妄想歌舞伎ナイト」で発表した歌舞伎専門雑誌発行の妄想は、当日ご来場くださった演劇界編集長へのメッセージでもありました

 

今日は歌舞伎座は休演日でした

 

明日からの歌舞伎座公演「艪清の夢」はすこぶる楽しんで勤めます

 

 

壱太郎さんからの誕生日プレゼント

お餅屋さんの役・お臼 と 本名 林 に因んで