雑感11
私は、劇的なフレーミングが好みで、撮り方もノーファインダーが多いですが、結局のところ、どんな風に写真を撮っても、流行っていない居酒屋は、やはり流行っていない居酒屋で、安い水商売の女は、安い水商売の女にすぎないわけです。
私はそれを何とか上手く綺麗に撮ろうとするわけですが、これはおそらく自分自身の育ちが影響しているような気がします。「何もない」ことを、最後まで「何もない」と認めたくなかったんだと思います。
雑感10
写真新世紀を取りたいな、と今でも思います。例のごとく、立ち飲み屋で飲み疲れて、家のポストに写真新世紀のDMが届いているのを見たとき、何だか後ろめたい気持ちがしました。
なんで、そんなに賞を取ることにこだわるのか、何人かから聞かれたけれど、自尊心のため以外に答えはありません。
自分は、自分の撮る写真の大ファンで、おそらく自分の写真の「良さ」は自分しか分からず、けれども分かってほしい、このたった1枚を撮 影をするために、自分がどれだけ苦しい思いをしたか、悔しかったか、歯を食いしばったか、当然だれも知らないのですが、ほれ見たことかと、俺の写真はやっぱりすごかったんだと言いたいわけです。
雑感9
好きな写真家はたくさんいるけど、一番好きなのは、ロバート・メイプルソープ。
ただ、この写真家は一時期、検閲でワイセツと判断され(裁判は9年にわたり今ではOKみたい)、日本では入手しづらいかベラボウに高かったので、大学生の頃の俺は、ブックオフで100円で買ってきたスタジオヴォイスや美術手帳を見て、数カット、何とか見られるぐらいで、それを寄せ集めていたんだよね。
働いてからは、そんなこともすっかり忘れて、この前、仕事で東京に来たとき、銀座でロバート・メイプルソープの写真展が開催されているとのことで、慌てて、合間を縫って見に行ったんだけど、その極めて美しいプリントとモチーフへのストレートなアプローチに圧倒され、あのとき見たかったものにようやく会えたんだと感無量だった。展示方法やサイズの小細工ぬきに、完成された写真は何者にも干渉されない迫力があります。