連日猛暑が続く中、

コルメキッサにご来店ありがとうございます。




私、最近、自分の中に今までは無かった気持ちが湧き上がって来ていて。




自分が体力と気力が弱っているからなのかな?

とも思いましたが、

正直な気持ちを書こうと思います。





私は15年に渡り、

創作人形、絵画、服飾などをセレクトした企画展を多数開催して来ました。



企画を考えるのも、

作家さんにお声をかけるのも、

夢中でやって来ました。



が、最近は、実はその気力が湧いてこないのです。


(※個展などお願いしている作家さまはそのままですのでご心配なさらずお願いします。)




長年やって来ると、

出展してもらったら即売れる作家さんも即分かります。




今は以前と違い、

企画展をやるお店やギャラリーも増えました。



すると、とにかく被るんですよ、作家さんが。




お店側やギャラリー側も経営がかかっているので、

それは人気作家さんを押さえておきたいでしょう。





私も、色んな作家さんに声をかけます。


私が声をかけるのは、

売れてるから声をかけてるわけじゃなく、

自分がこの人!と思った作家さんのみ。



なので、

全くの新人さんも急に出てくるのが私のやる企画展の特徴でした。




今はネットも普及し、

SNSで作品が目に留まる場合も多くなりましたよね。




私も、ワクワクさせてくれるような作家さんを見つけた時、

もう、自分のワクワクが止まらなくなる。

そしてそんな作家さんの作品が売れた時の嬉しさと言ったら表現しきれません。




で、上の話に戻りますと、

今のアート関連の展示会は、正直言って

作家さんの奪い合いのような感じに感じてしまっています。




人気の作家さんは、数年先まで予定の入っているのがほとんど。






そして、私は才能を発掘するのが好きで、

突然新人さんを企画展にお声かけたりすると上に書きましたが



ことごとくそういう発掘した新人作家さんに

とある他店さんが声をかけてそのお店の企画展に名前が乗って行きます。



流石に今年になって、

ここまでやるか…!?

と愕然とするほどでした。


※その企画展の出店作家名を教えたところ、
キッサさんもビックリしてました。







もちろん、作家さんは自由。

店やギャラリーの持ち物じゃない。






最初の頃は、うちに黙ってスパイに来たりしていたことすら笑って済ましていたけど、

なんかもう、疲れてしまった。




作家さんを奪い合うみたいなことしたくないんですよ。


そして、自分で探してよ、って思ってしまう自分がいます。




私は才能を発掘して世に出すのが得意だし好きだけど、

その手間を省いて

「あの作家売れたらしい!うちに出展してもらおう!」

というやり方を続けられてきて、

なんだかもう流石に私も疲れてしまった。






後、ギャラリーや店にも絶対的なルールってあると思うんですよ。


例えば、うちにある作家さんのある作品があったとします。


それは、

作家さんとコルメキッサという店が契約状態にあるということです。




で、違うお人形店で、知らないお客様が

そのお店には無くうちにあるその作家さんのその作品を欲しいと言われたとします。



確かに、それで受けられたら100%売り上げになるので、

受けたくなる気持ちも分からないでもありません。




でも、それ契約としておかしいですから。



例えば他店さまにある作品で、

まだ売れていなくて、

買う人も決まっていない場合、

作家さんが引き上げて他のお店に再納品というのは全然ありですよね。


うちも作家さんに返品要請いただいたら、

返品しています。



ただ、

売り上げになるからうちにある作品をうちの店に送ってって、どうなのでしょうか。



作家さんの売り上げになるからと、

送りましたが。


お店は指示を出すのみで全くこちらに何の連絡も無く、
作家さんが申し訳なさそうに謝ってくる状態、

それでいいのでしょうか?









この長い15年の間に、

2回そんな事がありました。







目先の売り上げばかり考えて、

作家さんや作品を奪い合うような状況、

なんだかもう嫌だ。





なぜ、

一緒にこの素晴らしいアートの世界を広げていこうという考えに至れないのか。



私は自分がお人形に出逢い、

人生が変わりました。


※こちら読んでみてください。


その感動を他の人にも伝えたくて、お店を始めました。





作家さんを奪い合いたくてお店を始めたんじゃない。

競争したくて企画展をやって来たんじゃない。





自分の入院と手術を控え、

本来ならば何としても企画展をやらなければいけない時のはずなのに、

私は今それをやりたくない。



奪い合いの世界がとても嫌なのだ。



創作人形も、絵画も、一点もののお洋服やアクセサリーも、

愛あるモノたちだ。






今私は、

物凄く怖い事をしようとしているのかもしれない。





競争無く、

やっていくにはどうしたらいいのか。




うちが作家さんの方から出展したいと思われるお店になるしかないのだ。




どうしたらそうなれるのか、

今本気で模索しているところです。




そして作家さんにお伝えしたい。


作家さんもお店やギャラリーを選んでいいんだよって。



今のままの現状だと、

どこも似たり寄ったりの展示会ばかりになっていくだろう。



そして、

人気作家さんは常に忙しい状態が続く。





時代は変わったと思う。

今は競争の時代じゃなくて、

共創の時代。



私は、共に創り上げる企画をやって行きたい。







コルメ。