仁田、坂木の若年コンビの報告を受けた竹添は
(…何か隠密裏に調査されているのだろう…いつ、出動の命があっても良い様に隊を引き締めねば)
(しかし、仕事とはいえ女相手とは苦虫を噛み殺しておいでだろう)
と、熊襲と笑いながら相談したものだ。
さて、今宵も今宵とて、出掛けて来た冬獅郎だが、ベテラン二人の心配を余所に足取りは軽かった。
暖簾を潜ると、女-お千代の顔が輝いた。
いつもの様に上がり框に足を向けるが、お千代が頬を染め上を指差す。
冬獅郎は残念そうにため息して
「すまねぇな。今晩は、あましゆっくりできねぇ」
「何だいつれないねぇ」
「やっ、用心棒の口にありついてな。初日くれぇはまじめにせんとな。手当がいいんだ。あっ、そうだ。手当でたら芝居にでも行こうぜ」
「ほんとかい?約束だよ」
「あぁ」
冬獅郎は片目を瞑って見せた。
怪しまれない様に一度寝てからは誘いも明け透けだ。
それを上手くかわしている。
同じ女は二度とは抱かない、馴染みの女は作らない。昔から乱菊と約束している事だ。愛娘にさえ『身持ちが悪い』と思われている身では、儚い操立てだが、冬獅郎にしたら精一杯の気持ちの示し方ではあった。
「それでさぁ、その客が、あんまりうざったいんで『あたし共は学のない酌婦
実のところ、この女との会話が苦ではなかった。
冬獅郎は確かに乳が好きだ。
だが、単に大きければ良いなら井上織姫にも好意を抱いただろう。しかし、彼女は趣味の外だった。
冬獅郎は自分の人生を自身で背負った、ある意味達観した威勢の良い女が好きだった
実のところ、この女との会話が苦ではなかった。
冬獅郎は確かに乳が好きだ。
だが、単に大きければ良いなら井上織姫にも好意を抱いただろう。しかし、彼女は趣味の外だった。
冬獅郎は自分の人生を自身で背負った、ある意味達観した威勢の良い女が好きだった。
故に、目の前の女が嫌いではなかった。悪い女だとしても。
(…何か隠密裏に調査されているのだろう…いつ、出動の命があっても良い様に隊を引き締めねば)
(しかし、仕事とはいえ女相手とは苦虫を噛み殺しておいでだろう)
と、熊襲と笑いながら相談したものだ。
さて、今宵も今宵とて、出掛けて来た冬獅郎だが、ベテラン二人の心配を余所に足取りは軽かった。
暖簾を潜ると、女-お千代の顔が輝いた。
いつもの様に上がり框に足を向けるが、お千代が頬を染め上を指差す。
冬獅郎は残念そうにため息して
「すまねぇな。今晩は、あましゆっくりできねぇ」
「何だいつれないねぇ」
「やっ、用心棒の口にありついてな。初日くれぇはまじめにせんとな。手当がいいんだ。あっ、そうだ。手当でたら芝居にでも行こうぜ」
「ほんとかい?約束だよ」
「あぁ」
冬獅郎は片目を瞑って見せた。
怪しまれない様に一度寝てからは誘いも明け透けだ。
それを上手くかわしている。
同じ女は二度とは抱かない、馴染みの女は作らない。昔から乱菊と約束している事だ。愛娘にさえ『身持ちが悪い』と思われている身では、儚い操立てだが、冬獅郎にしたら精一杯の気持ちの示し方ではあった。
「それでさぁ、その客が、あんまりうざったいんで『あたし共は学のない酌婦
実のところ、この女との会話が苦ではなかった。
冬獅郎は確かに乳が好きだ。
だが、単に大きければ良いなら井上織姫にも好意を抱いただろう。しかし、彼女は趣味の外だった。
冬獅郎は自分の人生を自身で背負った、ある意味達観した威勢の良い女が好きだった
実のところ、この女との会話が苦ではなかった。
冬獅郎は確かに乳が好きだ。
だが、単に大きければ良いなら井上織姫にも好意を抱いただろう。しかし、彼女は趣味の外だった。
冬獅郎は自分の人生を自身で背負った、ある意味達観した威勢の良い女が好きだった。
故に、目の前の女が嫌いではなかった。悪い女だとしても。