前回の「開脚前屈をしよう」では
アーサナと心の関係
自分の内側に意識を向けました
「シールシャアーサナをしよう」では
アーサナと宇宙の自然法則との関係
自分の外側に意識を向けます
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シールシャアーサナは
自然法則の影響を強く受けます
どんなときに倒れてしまうのでしょう?
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重さ(質量)がある物は
地球に引き寄せられる力を受けます
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簡単にするために
1点で力を受けるとします
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このポイントを
「重心」と呼ぶことにします
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簡単にするために
重心は物の中心あたりにあるとします
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ヨガブロックを傾けて
手を離すと
倒れるときと
もとに戻るときがあります
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傾けたブロックの重心から
重力方向(真下)へ線を伸ばします
ブロックは
この線の方向に倒れていきます
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ブロックの底から
この線が外へ出てしまうと
ブロックは倒れます
傾けた角度が大きくても
この線が底を通る限りは
ブロックはもとに戻ります
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シールシャアーサナでは
この面は
ひじと組み合わせた手で作る
三角形の内側です
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体で重いのは(地球に強く引かれるのは)
・頭
・骨盤+腹
・ふともも
です
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「頭」「骨盤」「ふともも」の
それぞれの重心から
真下に降ろした線が
この三角形の外側にあれば
倒れます
*
足を持ち上げるとき
手を組んだ三角形の内側に
「頭」はもともと入っていますので
バランスにはあまり影響しません
*
最初に
重い「骨盤+腹」を
三角形の内側に収めて
安定な状態をつくります
(1)
足を頭の方へ近づけていき
頭と骨盤を一直線上にそろえようとします
背中や腹が
三角形の内側からはみ出さないように
背筋を伸ばして骨盤を上に持ち上げ
体を細くします
(2)
今
「骨盤」が三角形の内側に入ったので
骨盤はバランスにあまり影響しなくなりました
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次に
(3)
「ふともも」をお腹に引き寄せて
「ふともも」の重心が
三角形の内側へ入るようにコンパクトに整えます
(4)
「頭」「骨盤」「ふともも」の重心が
全部三角形の内側にあれば
とても安定して倒れにくくなります
背中をピンとして
細くなり
体が
三角形の内側からできるだけはみださないように
するとうまくできます
**** 補足説明 *****
重心の考え方
ポイント:重心は分けて考えても良い
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(a)
リンゴが1個あります
重さがあるので
リンゴの中心あたりに重心があり
そのポイントで
地球へ引っ張られる力(重力)を受けます
*
(b)
リンゴが3個あります
それぞれのリンゴは
重心を持ち
それぞれ重力を受けます
*
リンゴ3個を箱に詰めます
このとき
(c)
それぞれのリンゴが
重心を持ち
それぞれ重力を受けていると考えても良いし
(重心は3つ、力は3つ)
(d)
箱の3ヶ所に力が働いていると考えても良いし
(重心は3つ、力は3つ)
(e)
箱の中心に重心があり
そこで重力を受けていると考えても良いです
(重心は1つ、力は1つ、力の大きさはリンゴ3個分)
*
リンゴが3個箱に入っているという
事実は変わりませんが
私が問題を
どう考えたいか
どう見たいかによって
表現方法が変化します
*
体全体の重心は
へそ下あたりにあるそうですが
体のパーツごとに
重心を考えた方が
わかりやすいときもあります
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