イギリス王ジョージ6世と彼の吃音の治療に当たった平民の友情を描いた映画です。

上映された当時、観たいと思っていたものの結局観られずじまいでした。

それが、NHKで放映されたので録画しました。

 

吃音に悩みながら、王族として重責を担わなければならない人生。

兄が即位したにも関わらず、自らの愛を貫いたため退位せざるを得なくなります。

そうなると、自分が「国王」として即位しなければなりません。

もはや、権力は無く、象徴となっていた国王にとって、最も大事な活動は、国民に向けて演説することです。

吃音症のジョージ6世にとっては、これは超難題でした。

 

治療を担当する平民の方は、医師としての免許は持っていなかったものの、第一次世界大戦で精神的なショックからの言語障害の治療に一定実績がありました。つまり、精神的なアプローチによって治療を行うのです。

吃音症だからといって、大人しいわけではなく、超短気で癇癪持ち、イラつくとすぐにタバコに手を出す。

それでも、治療する方は根気強く、しかし、真っ正直に指摘を続ける。もちろん、吃音克服のための効果的な方法も試しながら。

一番大事だったのは、ジョージ6世(被験者)の尊厳を大事にし復活させる事でした。

 

最終的には、イギリスはヒトラー・ドイツに宣戦布告するわけですが、その際、全国民に向けて生放送で演説をします。

この時には、吃音で聞きづらい話ではなく、しっかりと国民に向けて発する演説となっていました。

 

この映画では、ジョージ6世の娘として少女時代のエリザベス女王が出てきます。

両親からの愛情をうけてはしゃぐ愛くるしい少女をみていて、あのおばあちゃんにもこういう時期があったんだろうなと観てしまいました。

それと、日本の皇室とは違い、英国の王室は民間人と気軽に行き来できる環境があったんだなと思いました。