聖天山歓喜院 浴油祈祷(妻沼聖天、埼玉県熊谷市妻沼) | まほろば御朱印紀行

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 埼玉県熊谷市妻沼にある高野山真言宗準別格本山の「妻沼聖天歓喜院」で祈祷を受けに行ってきました。
 2月15日の仏滅ですが、十二直だと「開(ひらく)」になりよさそうな日だ。もちろん「涅槃会」の日にあたる。

 最寄り駅は、JR高崎線「熊谷駅」になります。熊谷駅よりあさひバス「太田駅行き」・「西小泉駅行き」・「妻沼聖天前行き」に乗り、「聖天前」バス停で降りてすぐです。
 寺院専用の駐車場はありました。自動車は、数十台以上は停められそうです。


 こちらの神社の由緒は、次の通りです(大修館書店刊『日本の神仏の辞典』より)。
「【歓喜院】
 埼玉県大里郡妻沼町妻沼にある高野山真言宗の寺院。聖天山。長楽寺。本尊は大聖歓喜天。
 治承四年(1179)斎藤実盛が聖天宮を建て、その子の真長が建久八年(1197)に別当寺として同寺を建立と伝える。天文二十年(1552)、慶長十年(1604)に再興。寺領五十石。
 歓喜天は遠近の信仰を集める。聖天堂御正体錫杖は重文。」

 また、吉川弘文館刊「日本仏教史辞典」によると次の通りです。
「【歓喜院】
 埼玉県大里郡妻沼町にある高野山真言宗の寺院。聖天山長楽寺と号す。
 平安時代後期長井庄司斎藤別当実盛が白髭社を修造して歓喜天を祀り聖天宮と称し、長井庄総鎮守となる。建久八年(1197)実盛の次男阿請房良応が改築し別当寺歓喜院を建立。天文二十一年(1552)忍城主成田氏の命で女(妻)沼の地頭手島美作守が修築。慶長九年(1604)徳川家康から朱印五十石を賜る。明治初年聖天堂は別当寺歓喜院に所属する
 建久八年銘の御正体の錫杖は重要文化財に指定されている。」


 「生駒聖天」・「待乳山聖天」と並び日本三大聖天の一寺と目されるお寺になります。関東三大聖天の場合は「待乳山聖天」と「平井聖天」とこちらのお寺です。

 貴惣門
 中門
 仁王門
 護摩堂。
 自動車祈祷を行っており、不動明王・白衣観音・役行者が祀られています。
 
 聖天堂は「埼玉の日光」と呼ばれ、「権現造」になっています。
 堂内において「大聖歓喜天」を本尊として祈祷が行われています。

 歓喜天を本尊で祈祷をする場合は「浴油祈祷」が行われる。
 歓喜天とは大修館書店刊「日本の神仏の辞典」よると次の説明がされています。
「【歓喜天(かんぎてん)】
 歓喜自在天・大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)ともいい、一般に聖天(しょうてん)と呼ばれる。
 インドでは象を獣王として尊ぶことから象を神格化したもので、象頭人身の姿をなし、象鼻天ともいう。もとは諸々の悪行を働いた邪神(ガネーシャまたはビナーヤカ)であったというが、観音が女身に変化して歓喜天の前に現れ悪行を封じたという。以来、仏教の守護神となり、夫婦和合・子授け・安産・商売繁盛など現世利益の信仰を集めることになった。
 像形には単身像と双身像の2種類がある。単身像には二・四・六臂像など多種があり、刀・棒・牙などを持ち、双身像は男女像が抱擁する姿をとる。ただし、多くの寺院では秘仏としている。
 画像では胎蔵現図曼荼羅の外院に伊舎那(いしゃな)天の眷属・毘那耶迦(びなやか)として描かれている。
 奈良県の生駒聖天(宝山寺)、埼玉県妻沼聖天(歓喜院)などが有名。歓喜天の供養には一般には浴油法が修される。東京浅草の待乳山(まつちやま)聖天では二股大根を供える風が近年盛んである。」

 真言宗や天台宗系では仏教の護法神としての仏様だ。日蓮宗系の摩利支天・毘沙門天・帝釈天・鬼子母神もそうだ。

 浴油祈祷の祈祷料は次の通りだ。祈祷受付に掲示してあります。
   3,000円(1日)
   5,000円(3日)
 10,000円(7日)
 20,000円(15日)
 30,000円(1ヶ月)

 次の願意で祈祷をしていただける。
「家内安全 心願成就 事業繁栄 身上安全 車用交通 商売繁盛 身体健全 子宝満足 渡航安全 車御加持 良縁成就 学業成就 安産守護 方位除 就職成就 交通安全 合格祈願 病気平癒 御礼 厄災消除 進学成就 傷病平癒 灯明料」

 聖天堂の拝殿内部になります。
 祈祷の流れは以下になります。
1 授与所にて祈祷の申し込み。申込用紙に氏名・願意等を記入する。当然ですが熨斗袋に祈祷料を入れ、申込用紙と一緒に納める。その際に妻沼聖天発行の新聞と般若心経&聖天真言&光明真言&大師御宝号が書かれた用紙を渡される。
2 祈願者が堂内に入場(祈祷受付の左側の入り口より入る)
3 僧侶が堂内に入場
4 僧侶が祭壇に御札を供える
5 僧侶が祈祷の開始を告げる
6 僧侶が祈祷を受ける方に塗香をしてもらうよう手にお香をのせ、祈祷者が香を両手に擦り込む。
7 僧侶による祈祷が始まる。僧侶が読経をし、途中より祈願者が般若心経&歓喜天真言&光明真言&大師御宝号を唱える。また、僧侶が祈願者の名前と願意を読み上げる。
8 僧侶による「加持」が行われる
9 僧侶により祈願の終了が伝えられ、祈願者がお焼香するように促される。
10  祈願者によるお焼香(3回するよう促される)
11  御札の授与
12  祈願者の退場

 なお申込時に頂いた般若心経や真言が書かれた用紙は、折りたたんでお守り代わりに持ち歩いとも良いそうだ。

 当日、私ともう一組のみで祈祷が行われました。

 こちらが祈祷の際の授与品。
 御札は約24㎝の長さ、お供物がついた。お供物は、バックに入れておいたので割れてしまった(´・ω・`)

 撮影不可かもしれなかったですが、聖天堂内部の扁額を撮影した。
 歓喜天と書かれているのだろう。揮毫したのは「教王護国寺現住日野覺寶書」とある。調べてみると大宮覺寶という方が教王護国寺の住職を務めているのだが、同一人物なのだろうか?

 2月15日に祈祷を受けたため、堂内には涅槃図の掛け軸が飾られていた。

 大師堂にも参拝する。
 内部には雛壇が飾られていた。
 もうすぐ桃の節句だ。
 左におわすのは勢至菩薩になり、彩の国武州十二支霊場午年守護の本尊になる。

 平和の塔
 オリジナル御朱印帳(1,500円)や御守り(500円~)といった授与品はありました。








所在地:埼玉県熊谷市妻沼1627番地
宗 派:高野山真言宗
寺格等:準別格本山
本 尊:十一面観音 大聖歓喜天
通 称:妻沼聖天
札所等:関東八十八ヶ所 八十八番札所
    ぼけ封じ関東三十三観音霊場 十六番札所
    東国花の寺百ヶ寺
    彩の国武州路十二支霊場 午歳守護
    幡羅新四国八十八ヶ所 十三番札所
    日本三大聖天
御詠歌:大利根の みずゆたけしと 妻沼なる 神の恵みの つきぬ尊うとさ