中国空母打撃群が「南西諸島攻撃」訓練…
習指示で安保3文書決定の日に開始
中国政府関係者によると、演習期間は16~26日で、空母打撃群には遼寧のほか、対地攻撃も可能な最新鋭大型ミサイル駆逐艦「055型」も複数、参加している。
日本が南西諸島へのミサイル配備を検討していることへの「対抗戦略」として、西太平洋の海上から、南西諸島へのミサイル発射を想定した遠距離打撃の訓練を行うという。
艦載機の夜間発着艦訓練も行っている。
空母打撃群の冬季演習は例年、12月頃に年間計画に基づいて実施しているが、日本が16日に3文書を閣議決定したことを受け、習が「同じ日に遼寧の冬季遠洋訓練を実施する」よう命じた。
演習期間中、台湾に対する戦略爆撃機による東西からの挟撃訓練も行う。
日本の防衛省によると、遼寧などの空母打撃群は16日に沖縄本島と宮古島の間を抜けて太平洋に出て、17日に沖大東島の西南西260キロ・メートル、20日に北大東島の東北東450キロ・メートルを航行しているのが確認された。
20日までに艦載機と艦載ヘリによる計約130回の発着艦を実施したという。
艦載機なら南西諸島まで5~10分で到達可能な海域だ。
中国は「積極防御」の軍事戦略をとっているが、米国防総省は「積極防御は攻撃の準備を行う敵に対する先制攻撃を伴う可能性がある」と指摘している。
安保3文書は反撃能力の保有を明記したが、習政権は日本が南西諸島にミサイルを多数配備することを警戒しており、中国政府関係者は「演習をもって日本の対中安保戦略をたたく」と狙いを話した。
中国国防省によると、中国海軍は21日から、浙江省舟山沖でもロシア海軍と合同演習を開始した。
対潜水艦や海上封鎖などの訓練を行うとしている。
自衛隊艦船など防衛装備品にも建設国債
来年度予算案で政府方針
政府が新たに建設国債の対象とする装備品は、運用期間が数十年間と比較的長い護衛艦や潜水艦といった防衛装備品。
航空機は対象外とする。
23年度の当初予算案では、防衛装備品と自衛隊施設に関する経費の財源として、建設国債数千億円をあてる方針だ。
建設国債は道路など将来世代にも恩恵が幅広く及ぶ場合に認められる国債。
尖閣諸島沖などで中国船の警戒にあたる海上保安庁の船は対象となっており、自民党の一部が自衛隊の装備品でも認めるよう求めていた。
ただ、建設国債も借金にあたり、将来世代に負担を強いることになる。
他の防衛装備品にも対象が広がれば防衛費の無秩序な拡大につながる恐れがある。
海自FFM6番艦 「あがの」と命名
長崎市で進水式
海上自衛隊の新型護衛艦(基準排水量3900トン)の6隻目の命名・進水式が21日午前、長崎市の三菱重工業長崎造船所であり、「あがの」と命名された。
今後、電子機器の整備などを経て2023年度中に就役する予定だ。
午前9時50分過ぎから始まった式典で、防衛省の井野俊郎副大臣が浜田靖一防衛相の命名書を読み上げた。
防衛省によると、艦名は、新潟・福島・群馬の3県にまたがる「阿賀野川」にちなむ。
あがのは、「FFM」と呼称される海自の新型護衛艦の6番艦。
全長133メートル、全幅約16メートル。
5千トンクラスの護衛艦の半分の約90人の乗員で運用される「省人型」の護衛艦だ。
FFM5番艦とあわせて20年度予算で建造され、2隻あわせた建造費は約943億円。
FFMは護衛艦が担ってきた日本の周辺海域の警戒監視に加え、これまで掃海艦艇が担ってきた海中の機雷を探索したり除去したりする機能も併せ持つ多目的艦艇だ。
駐日大使にクアッド担当高官=豪
オーストラリアのウォン外相は22日、次期駐日大使に、日米豪印4カ国の連携枠組み「クアッド」を担当してきたヘイハースト外務貿易省副次官を起用すると発表した。
対日関係の強化とインド太平洋地域の多国間協力拡大を進める狙いがある。
ヘイハースト氏は在中国大使館で首席公使を務め、フィリピンに駐在した経験がある。
日本着任は来年初めの見通し。
これに関し、ウォン氏は声明で「日豪はクアッドなどを通じ、信頼の置けるパートナーだ。両国の安全保障協力は不可欠で、地域の安定、繁栄、平和に資する」と強調した。
ミサイル駆逐艦「シュープ」、横須賀に配備
アメリカ海軍第7艦隊に所属
安定したインド太平洋の実現へ
アメリカ海軍第7艦隊は2022年12月19日(月)、ミサイル駆逐艦「シュープ」が在日米軍の横須賀海軍施設に到着し、第7艦隊所属として前方配備についたと発表しました。
「シュープ」は、アーレイバーク級駆逐艦の36番艦。
2000(平成12)年11月に進水し、2002(平成14)年6月に就役しました。
全長155m、基準排水量約9200トン、乗組員数は約270人です。
多くの改良が施された「フライトIIA」と呼ばれるタイプに属します。
フライトIIAとは、「フライトI」と呼ばれる初期建造艦に比べイージスシステムを最新型の「ベースライン9」へ更新し、艦隊防空能力以外にも弾道ミサイル対処能力を向上させています。
さらに「シュープ」は艦載ヘリコプター用の発着甲板を備え、MH-60多用途哨戒ヘリコプターを2機運用できます。
「シュープ」は、インド太平洋地域の安全と安定に寄与することが期待されています。
中国とロシアが合同軍事演習
連携アピール 東シナ海で
中国とロシアの両海軍は21日から、東シナ海で合同軍事演習を続けている。
中国とロシアの両海軍による合同軍事演習は、21日に始まり、12月27日までの予定で行われ、敵の潜水艦に対する共同作戦や、防空の訓練などが計画されている。
中国海軍の報道官は、「ロシアとの海上での合同軍事演習は2012年以来行われていて、両国の演習は友好関係を強化し、海上での共同作戦能力を高めてきた」と強調している。
今回の合同演習は、中ロ両国海軍の連携をアピールし、ともに緊張関係が続くアメリカや、その同盟国の日本をけん制する狙いもあるとみられる。
中国軍の「越境」に中国製品燃やして抗議
インド・ニューデリーで21日、中国人民解放軍が係争地で実効支配線を越えたとされる事態に抗議するデモが行われた。
参加した貿易関係者は中国製品のボイコットを訴え、同国製の衣類やプラカードを燃やした。
ロシアが安保3文書を「軍拡」と非難
ロシア外務省は22日、「安保3文書」について「日本が攻撃用戦力の獲得を含む、前例のない軍拡の道を歩み始めたのは明らかだ」などと非難する声明を発表した。
11月の日米共同統合演習で上陸作戦を行う自衛隊員=鹿児島県徳之島町
声明は、岸田政権が従来の日本の平和路線を撤回して軍国主義路線に回帰していると主張。
それは安全保障上の懸念を引き起こし、アジア太平洋地域の緊張も高めるとした。
また、防衛費を国内総生産(GDP)比2%まで引き上げる決定は、岸田政権が米国の「地政学的ゲーム」に積極的に参加しようとしている表れだと述べた。
茨城にスホーイ戦闘機が来る!
航空自衛隊 × インド空軍
百里等で共同訓練実施へ
この共同訓練は「ヴィーア・ガーディアン23」と呼称され、2023年1月16日(月)から1月27日(金)までの約2週間にわたって行われるとのこと。
実施場所は茨城県にある航空自衛隊百里基地と、埼玉県にある航空自衛隊入間基地の2か所が明記されています。
来日するのは、インド空軍の西部航空コマンドに所属するSu-30MKI戦闘機4機とC-17輸送機2機で、支援人員も150名が展開するそうです。
航空自衛隊から参加するのは、百里基地に所在する第7航空団のF-2戦闘機4機と、小松基地に所在する飛行教導群のF-15戦闘機4機、中部航空警戒管制団などであり、前述の2箇所の基地を使って各種戦術訓練を行うといいます。
なお、航空自衛隊によると、ほかにもインド空軍戦闘機へ空中給油を実施するために、同空軍中央航空コマンド所属のIL-78空中給油機1機も飛来するとしています。
台湾海峡周辺に多数の中国軍機
一部は「中間線」越え
アメリカの議員団の訪台に反発か
台湾国防部は、多数の中国軍機が台湾周辺の空域を飛行し、一部は事実上の停戦ラインである「中間線」を越えたと発表しました。
台湾国防部は、22日午前6時までの24時間に中国軍の戦闘機などのべ39機と船舶3隻が台湾周辺で活動したと発表しました。
このうち無人機の「彩虹4」は、台湾海峡にある中国と台湾の事実上の停戦ラインである「中間線」を越えて飛行。
「殲16」戦闘機や空中給油機「運油20」など29機は、「中間線」の延長線を越えて台湾の南西沖や南東沖の防空識別圏に進入しました。
台湾外交部によりますと、17日から22日までの日程でアメリカの議員団が台湾を訪問していて、中国がこうした動きに反発して行った可能性もあります。