箱根登山ケーブルカーの車窓から | 国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園内を走る鉄道の紹介と風景の発見
車窓から眺めて「これはいい」と感じた風景の散策記

[ 国立公園鉄道の探索 ]

箱根登山ケーブルカーの車窓から

(富士箱根伊豆国立公園)

 

 

 

 

箱根登山ケーブルカーと箱根ロープウエイは早雲山駅で接続されています。

これからケーブルカーで強羅に向かいます。

 

 

 

 

箱根登山ケーブルカーの正式名称は「箱根登山鉄道鋼索線」です。

最大高低差は215mと表示されています。

起点の強羅駅の標高は541m、終点早雲山駅の標高は750mと公表されていますから、

実質高低差は209mとなるはずです。

 

一方箱根ロープウェイ早雲山駅の標高は757mとされています。

その入口付近の高さまでが勘案されているのでしょうか。

 

いずれにしても、200m少々の高低差、約1.2kmの区間を11分で走り抜けます。

起点の強羅から、公園下、公園上、中強羅、上強羅の4駅を挟んで終点の早雲山を併せて6駅を接続する路線です。

 

 

 

 

 

 

終点早雲山駅には、相模湾を見渡せる展望スペースもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


二両編成、最大251人とありますから、かなりの輸送能力があります。

車内は、観光用のケーブルカーというより通勤電車的な雰囲気もありました。

遊山客のみならず、沿線住民の方々への利便性も図られていると感じられました。

 

 

ケーブルカーの車窓は、ローブウエイよりは地味です。

早雲山駅の一つ下の駅・上強羅駅付近からは森の中を走る区間があり、

この車窓風景は鋼索線ならではの味わいがあります。

 

 

 

箱根の最高峰・神山の噴火による火砕流堆積物の上に、火山灰や早雲山からの泥流堆積物が積み重なって

形成された、と説明される早雲山~強羅間の地形。

以前は、巨石がゴロゴロしている荒地だったそうですが、開発とともに整備され、

ケーブルカーの周りには美しい森もみられます。

 

 

 

 

 

公園上駅と中強羅駅の間には、上り下りの行き違い区間があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沿線には、公園、ホテル、保養施設なども多くみられます。

 

 

 

 

 

 

 

富士箱根伊豆国立公園の指定区域内を走る箱根登山ケーブルカーの車窓に展開する風景、

それは、火山活動の影響で変動する荒々しい地形帯を、

開発と再生により穏やかに作り変えた風景、ということになります。