野辺山宇宙電波観測所の幅の広いレール | 国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

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野辺山宇宙電波観測所の幅の広いレール

 

 

 

 

野辺山宇宙電波観測所は、小海線の「JR鉄道最高地点」の近くにあります。

 

「日本で一番宇宙に近い鉄道」

と紹介されることがあるJR小海線。

 

その近くには、残念ながら今は使われていないのですが、これまた宇宙に近い鉄路が敷かれています。

 

幅の広いレールは、「鉄道好き」にとってはたいへん魅力を感じます。

 

この鉄路は、2010年まで科学観測運用されたミリ波干渉計のアンテナを移動するために使われていました。

 

「口径10mアンテナ6台を組み合わせて最大600mの電波望遠鏡に匹敵する解像力を有する。

 小型のアンテナを複数組み合わせて単一のアンテナでは実現不可能な巨大な電波望遠鏡と等価な解像力を

 得る装置。」

とのことです。

 

一番新しいF号機(画像一番手前のアンテナ)だけが系統運用から切り離され、大阪公立大学(当時の大阪府立大学)によって

「太陽系地球型惑星大気監視望遠鏡」として使われていましたが、これも2021年度に運用が終わったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野辺山宇宙電波観測所には見学コースがあります。

 

 

 

 

 

 

東西方向に敷かれた鉄路から南北方向に敷かれた鉄路に切り替えるターンテーブルも見られました。

 

広報の方に確認したところ、今は動くかどうかわからない、とのことでした。

 

だけど、今でも十分使えそうな感じもします。

 

ただ、使用終了したアンテナや線路は当面撤去されないようです。

 

風景価値として意義がある、ということのようです。

 

将来「科学観測に寄与した鉄道遺構」としてクローズアップされる日も来るとかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンテナを移動しながら科学観測されていた往時の躍動感が伝わってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

こちらは現在活躍中の、1981年に完成した「45mミリ波電波望遠鏡」です。

かなり遠くからも見えます。

 

 

 

 

 

 

 

電気、電子、情報工学などの分野の画期的業績を顕彰する、IEEE(アイ・トリプルイー)マイルストーンにも認定されています。

 

 

大きな存在感の45mアンテナ。

 

新星間分子、原始星周囲のガス円盤、ブラックホールの存在の証拠をつきとめる、など

数々の科学的成果を上げ続けています。