オンネトー (阿寒摩周国立公園) | 国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園内を走る鉄道の紹介と風景の発見
車窓から眺めて「これはいい」と感じた風景の散策記

[ 国立公園鉄道の探索 ]

オンネトー (阿寒摩周国立公園)

 

 

 

 

阿寒摩周国立公園の中を走る鉄道(釧網線・摩周~緑間)もありますが、核心地域からは離れた森の中を走り抜けています。

今回は、釧網線沿線からはかなり離れた場所にありますが、阿寒摩周国立公園の美が凝縮された「オンネトー」を訪ねました。

オンネトーは、十勝川水系の螺湾川が、雌阿寒岳の火山活動で堰き止められ誕生した湖です。

 

 

ここは、オンネトーの代表的な展望地です。

 

 

湖面にせりだすように、木製の展望デッキが設置されており、真下に漣が寄せています。

 

 

 

 

アイヌ語で「年老いた沼」という意味のあるオンネトーですが、多彩な色合いを見せる湖としても知られています。

湖面の標高は623m。

この9月は北海道も大変暑く、釧路でも27度くらいまで気温があがっていましたが、

ここオンネトーでは吹き抜ける風がたいへん爽やかに感じられました。

 

 

他にも、駐車スペースが道路沿いに何か所がありまして、その先には好い風景が展望できる場所があります。

風景の寄り道ができるように、しっかり考えられています。

 

 

 

 

それぞれの展望地から、多彩な風景の鑑賞ができます。

鬱蒼とした樹林帯から、左側の雌阿寒岳(1499m)と右側の阿寒富士(1475.8m)が抜きんでています。

この森と湖と火山の絶妙な組み合わせが、阿寒摩周国立公園の特色です。

 

 

 

阿寒富士には、雲がかかる時間も多かったのですが、このタイミングではすっきりと晴れました。

 

 

 

オンネトーの水の色は、酸性湖特有の色で、無機物質が溶存した場合、太陽光で青色に見える、といわれています。

PHは、全層で6.1~6.2の微酸性ということです。

この青い湖を前景として、森や火山はいっそう冴えわたります。

 

 

湖面の展望地の反対側に展望台がある、ということなので登ってみました。

 

 

樹林帯の中を進んでいきます。

 

 

倒木もけっこうみられました。

 

 

車道沿いの「北登口」から距離にして800mとありましたが、そこそこハードな道程でした。

 

 

展望台の近くには「オンネトー展望台観測局」という、雌阿寒岳の火山観測施設がありました。

雌阿寒岳は、今も噴煙をあげ、常時監視の対象となっているようです。

最近では、1998年に小規模な噴火があり、2006年にも小規模な噴火がありました。

2020年9月の時点では、火口周辺立入規制は出されておらず、入山は可能、とのことです。

 

 

 

監視カメラと、火山観測機器が設置されています。金属製の銀色の筒のようなものは、空振計(火山噴火によって発生する空気振動を測定する機器)だと思われます。

 

 

 

監視カメラが向けられた先には、噴煙をくゆらせた雌阿寒岳が悠然と佇んでおりました。

 

 

大風景の底に、オンネトーがひっそりと青い色を滲ませています。

 

 

オンネトー展望台からは、阿寒摩周国立公園をしなやかに覆う樹林がひときは偉大な偉大な存在と感じられました。