[ 国立公園鉄道の探索 ]
台風19号通過後の荒川橋梁(川越線)
2019年10月12日の台風19号通過後、JR川越線(大宮~高麗川 30.6km)・荒川橋梁(指扇~南古谷間)近くの堤防を訪ねてみました。
川越線・荒川橋梁は、荒川中流 、河口から44kmの地点に架かっています。
高水敷一杯に水が横溢していました。線路のすぐ下まで水が迫っています。この時点(10月13日6時30分)荒川は氾濫警戒レベルに達しています。
上空には、自衛隊のヘリコプターが、強風の中旋回していました。
中央は、相当流れが速くなっています。
濁流、といってよい状態です。対岸手前の木木の下には、河川敷を利用したゴルフ場があります。普段はゴルファーで賑わっています。
遠くに、大宮からさいたま新都心にかけてのビル群が望まれます。強固な堤防に守られ、この周辺での溢水はありません。
不謹慎かもしれませんが、美しい水景色とも感じられます。
「氾濫しそうな河川に近づくな」、とはいわれていますが、実にたくさんの人が見にきていました。やはり「、荒ぶる川」と称された荒川の本来の姿を眺めてみたいのだと思います。
この様子だと、川越線は午前中、ことによると終日運休になるかもしれません。
川越線・荒川橋梁のやや上流、河口から45.2km地点に、国道16号線上江橋があります。
川越線の荒川橋梁と上江橋の間で、荒川最大の支流・入間川と合流します。
入間川はかつて、ここから約5kmほど上流地点で、ほぼ直角に荒川と合流して、洪水を多発させていました。そのため、1931(昭和6)年から1954(昭和29)年にかけて、河川改修が行われ、この位置に合流点が遷されました。二つの川の間には、4kmに及ぶ背割堤が設けられています。
増水時、入間川と荒川の合流部付近では、広い高水敷一杯に水が湛えられ、湖のようになります。
上江橋の上流側岸辺には、上流からの夥しい漂流物が寄せていました。
この荒川中流域の、広大な高水敷の存在が、荒川下流域にあたる東京下町の洪水リスクを低減させています。