南阿波サンライン 風景の寄り道 | 国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園内を走る鉄道の紹介と風景の発見
車窓から眺めて「これはいい」と感じた風景の散策記

 

 JR牟岐線(徳島~海部 79.3キロ)は、日和佐駅(徳島起点53.2キロ)と牟岐駅(徳島起点67.7キロ)の間にある寒葉トンネル付近で全線中のピーク(標高100メートル)を越えます。急カーブや急斜面が多く、牟岐線内で最もローカル線的な色彩が濃い区間です。

 並走する旧土佐街道も、四国88か所霊場第23番札所・薬王寺のある日和佐から、丹前峠を越えて山河内の一里塚へ至る行程は難所として知られていました。

 陸路から目を少々海岸へ向けると、そこにはより大胆な地形の起伏が出現します。日和佐の南側には約2キロに渡って千羽海崖と呼ばれる高さ200メートル前後の海食崖からなる壮大な風景が、かつてロープウェイがあった外ノ牟井海岸まで続きます。その先も牟岐まで秀麗な海景色が展開します。この景勝地帯は南阿波サンライン(徳島県道147号日和佐牟岐線)で結ばれています。4か所の展望台や海に至る道もある、ゆかしげな探索コースです。日本風景街道にも登録されています。

 ここを見逃す手はない、ということで日和佐駅で降りてレンタカーで風景の寄り道をしてみました。

 事前に美波町産業振興課の担当の方からいろいろ資料を送って頂き、風景の見所を予め確認しておきました。ガイドマップには日和佐町内で車を借りることができる店も紹介されていました。そこは薬王寺近くにあるガソリンスタンドで、6時間までなら1500円というリーズナブルな値段で借りることが出来ました。

 南阿波サンラインでは、展望台以外にも1番から10番までのビューポイントがガードレールに「ビューポイント番号」が掲示される形で示されています。

 今回その中でも1番、4番、7番は秀逸と感じました。

 二つのピークのある山の片側は急な尾根となり岬へ向かいます。かつて浜辺から岬の頂付近までロープウェイが通っていました。岬の向こうには200メートル前後の千羽海崖が連なっています。

 

 

 

海底の様子が窺えるほど透き通った潮が緑の斜面に引き寄せられています。

 

 

翠の山々と青い海の狭間に佇むポケットビーチ、白いサーフラインが鮮やか。

 

南阿波サンラインの瞬景

 

外ノ牟井海岸

 

車で走っていればあっという間に通り過ぎてしまう瞬景が見逃されていないことを頼もしく感じました。