H29年の入試問題を見ていて、ああやっぱりと思ったことがありました。



次のような但し書きがついていたのです。私の知る限り、このようなものを見るのは初めてです。



開成の解答用紙
「1行のらんに2行以上書いたもの、小さすぎる字は減点の対象にします。」

◇ 武蔵の解答用紙
「ただし、1行の枠内に2行以上書いたり、枠をはみ出して書いたりしてはいけません。」

◇ フェリスの問題用紙
「ただし、1行のわく内に2行以上書いてはいけません。」


 

偶然にも、全く異なる学校で、同じような注意が、今年初めて与えられたわけです。

 

いや、これは偶然ではなく、必然かもしれません。

 


細かい字で、やみくもに書きまくる子が多いからです。

それを何百人分も読まされる先生方は、大変な思いをされていることでしょう。


「ただ量を書けばよいというものではないよ、簡潔に書くことが大事だよ」という、中学の先生方からのメッセージが読み取れます。


大学入試改革の影響なのか、どの塾でも記述指導に熱心に取り組み、受験生も猛烈に練習を積んでいます。



でも、その努力の方向が必ずしも正しくない場合があります。


解答スペースを埋めることに夢中になり、解答内容の精査が二の次になっているのです。

 

あれもこれもとりあえず書いておけば安心だろうという心理も働くのだと思います。



さしあたり、以下の点を大人がチェックしてあげましょう。

① ひとつのことがらについてだらだら書く。

② 必要のない細かい内容を引用する。

③ 同じことがらを繰り返す。



長い記述問題は、「解答に必要な要素の数が多い」のであり、「解答要素」のひとつひとつは簡潔に書かなければいけません。


何がポイントで何が不要なのかを見極める読解力をつけることも大切です。


6年生の皆さんも、まだまだ間に合いますから、ぜひ軌道修正をしてください。