慶応中等部の国語のテストでは、言語要素や漢字書き取りの問題に、見たこともないようなものが出題されることがあります。



今年の問題に、こんなものがありました。





本文の、「浦島太郎」の結末を説明している部分。


「二人は仲むつまじい夫婦生活を送る」というくだりに傍線が引かれています。



問 傍線部「仲むつまじい」とあるが、この意味にもっともふさわしくない言葉を、次の1~5から選び番号で答えなさい。


1 比翼の鳥  2 偕老同穴  3 犬猿の仲  4 水魚の交わり  5 鴛鴦の契り




受験生が目にしたことのあるのは、せいぜい3番と4番。


そこで、受験生は慌てます。


でも!


実はすごく簡単なのです。


設問文さえちゃんと読めば。




「もっともふさわしくない」ものを選ぶのですから、


「犬猿の仲」さえ知っていれば、ちゃんと答えられます。


あるいは、「仲むつまじい」の意味がわからなくて焦った受験生もいるかもしれません。


でも、本文を読めば、浦島太郎と乙姫が仲良く暮らしたことが書かれているので
「仲が良い」ことを表していることはわかります。



「ふさわしくないものを選びなさい」

という設問にすると、正答率が下がります。



「ふさわしいもの」を選んでしまう受験生がたくさんいるからです。



しかも「もっともふさわしくないもの」という言い回しは、かなりトリッキー。



ふさわしくないものを選ばせるときには、わざわざ「もっとも」という単語はつけないのが普通です。




中等部の言語要素は難しいという定説。



でも、やはり基本が大事なのです。



当たり前のことを当たり前に。



これが受験国語の王道です。