今日は特別クラスの初日。選抜テストを行って編成したクラスとはいえ、1回のテストではなかなか細かい学力まで把握しきれないので、最初の何回かの授業のはじめに、いろんな方法で基礎力のチェックをします。

今日は、漢字書き取りの力を試すべく、いきなりの100題テストをしました。難度にもよりますが、一題6秒あれば書けます。1分で10題、10分で100題という勘定になりますが、書き損じを消して書き直す、などのロスもあるので、5分おまけをしておきます。
このことをきちんとお子さんにも説明したうえで、一斉にテストを開始しました。

100題もの漢字をたった15分で書くという過酷なテストを実施するのにはわけがあります。かなりハイピッチでこなさなければならないので、筆記具が適切でないと、すぐに手が疲れてきます。また、消えにくい消しゴムを使っていると時間を取られますし、シャーペンの芯が出なくなったときには速やかに別のものに持ちかえないと、時間をロスします。このように自分の筆記具を点検してもらうという意味があります。

また、テストで時間切れをおこすというお子さんは、やはり書き取りも遅い傾向があります。字を書くことそのものが遅いと、桜蔭など記述中心の入試問題ではかなり不利になります。

書くことそのものはさほど遅くなくても、問題を読んでから答えを書くまでの時間が長いお子さんもいます。失礼な言い方をすると、ことばに対する感度が鈍いということです。語彙が少ない、活字を読む経験が足りないことに一因があります。「カイシンの作品。」と言われてもなんのことかわからず、ふた呼吸以上考えた末、「改心」と書いてしまうというようなパターンです。

15分というのは短い時間のようですが12歳の子どもが集中し続けるにはちょっとつらい長さです。途中で緊張の糸が切れそうになるお子さんもいます。MAXの集中力を発揮できる時間は長ければ長いほどいいわけですから、このテストで息切れがするようでは、鍛錬が必要だということになるでしょう。

さて、私はテストの間はずっと、お子さんたちの様子を観察しているのですが、さすがに上位クラスだけあって、ものすごいスピードでぐんぐん書いていました。その真剣な表情は、感動的ですらあります。今回最もはやかったTさんは、12分ですべての解答欄を埋めていました。

まだ採点していないのですが、どこまでできているか非常に楽しみです。あさってには今度は読みの100題を10分でやる予定です。