グルっぽを作成しました。
「国語指導｣という名称です。
国語(日本語)についてなら、なんでも語り合っていきたいと思います。
お陰様でたくさんの方にご参加いただいています。
関心のある方は、どうぞご参加お待ちしております。
冬期講習会後半初日の中3の授業は、約束していたお年玉を二つ。
1つは湯島天神で購入した合格鉛筆。
生徒全員に1本ずつ配りました。
もうひとつは、もちろんテストです。
｢苦あれば楽あり、楽あれば苦あり」ってね～
その後、年越しの宿題になっていた韻文の解説に入りました。
今年の中3は、最上位クラスだけ教材が違うのですが、2組3組で使っている教材に、
宮沢賢治の詩がありました。
作品第一〇〇四番
今日は一日あかるくにぎやかな雪降りです
ひるすぎてから
わたくしのうちのまはりを
巨きな重いあしおとが
幾度ともなく行きすぎました
わたくしはそのたびごとに
もう一年も返事を書かない
あなたがたづねて來たのだと
じぶんでじぶんに教へたのです
そしてまつたく
それはあなたのまたわれわれの足音でした
なぜならそれは
いつぱい積んだ梢の雪が
地面の雪に落ちるのでしたから
この詩は、長年この時期に必ず指導するものです。
いくつか設問がある中で、毎年ユニークな答えが出る問題があります。
7～8行目、「一年も返事を書かないあなたがたづねて来た｣とありますが、この｢あなた｣とは誰ですか？という質問です。
実は、その前に表現技巧を問う問題があり、正解は｢擬人法｣なのですね。
ここを正解できれば｢あなた｣は人間ではないとわかりそうなものです。
ほとんどの人の答えは｢雪｣。
確かに「一日明るくにぎやかな雪降り｣とありますし、「いっぱい積んだ梢の雪｣ともあります。
しかし、1年ぶりに雪が降ったのであれば、すでにそんなに積もっているはずはないでしょう。
｢冬｣という答えが間違っているのも同じ理由です。
ここでは、溶け始めているから梢や屋根から落ちるのですね。
答えは、｢春｣ですね。
雪解けから答えを導き出さなくてはなりません。
正解者は40人ほどの中でたった1人でした。
Y澤くん、よく出来ました！
北国、雪国の子どもたちなら想像も難くないのでしょうが、
このあたりはめったに大雪は降りませんので、「ドスン、ドスン」と音を立てて雪が下に落ちる光景を想像するのは難しいのかもしれません。
｢雪｣という答えはともかく、
毎年笑わせてくれるのが、人間を書く生徒。
｢彼｣「友｣そして今年はいませんでしたが｢父｣。
出稼ぎに行ってたお父ちゃんが一年ぶりに帰宅して、なかなか家に入れなくて家の周りを歩き回っているの?((爆))
それとも菊池寛の｢父帰る」？
｢彼｣に至っては･･･
振られた彼氏に戻ってきて欲しいという願望？
それとも、古典で話した招婿婚が頭にある？あなたは｢小野小町｣ですか？
毎年、珍答を大笑いするのですが、今年は今までに見たことがない答えが出ました。
｢犬｣です。
どう考えてもこの答えが出てくる理由がわからないので、解答した本人に聞いてみました。
｢擬人法｣を使う対象は犬だけではありませんよ、Y田くん。
そんなこんなで、楽しくリラックスして後半戦スタートを切ることができました。
あと2ヶ月、神経をとがらせていては解ける問題も解けなくなってしまいます。
気持ちを楽にして取り組むこともこの時期は大切ですね。
それからWOHASをより多くの方に知っていただきたいと思っております。
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