今週の中2の授業では、清少納言「枕草子」の冒頭文の分析をしています。
毎年、この時期の中2には指導する単元です。火曜日が応用クラス、昨日木曜日は基礎クラスに指導いたしました。

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる 雲のほそくたなびきたる。
 夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、 ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし
 秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行く とて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。まいて雁などの つらねたるが、いと小さく見ゆるはいとをかし。日入りはてて、風の音、虫の 音など、はたいふべきにあらず。
 冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいと白きも、また さらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るもいとつきづきし。 昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。

四季折々の一番趣のある時刻をとりあげ、その光景を感性豊かな言葉で綴ったものとして有名な一説ですね。
中2ですから、まずは歴史的仮名遣いから。
そして、「をかし」という述語の省略(6箇所あります)、
主格の「の」準体言の格助詞「の」や他の格助詞「が」「に」「を」などの省略といった文法事項を説明しました。
あとは、「山ぎは」「山の端」
「月」と「闇」(蛍が)「多く」と「ただ一つ二つなど」
「烏」と「雁」の関係が「さへ」と「まいて」とつながる、などの対比や
「さらでも」「さ、あらでも」であり、
さ」は指示語として「雪や霜があること」をさすのだと。
また「つきづきし」「似つかわしい」という意味で、「炭を持ってわたる光景冬の早朝の寒さ似つかわしい」のだという説明もしました。
もちろん、「風の音(おと)」「虫の音(ね)」という読み方の違いにも言及しました。
中学生としての「枕草子」冒頭の解釈は万全のはずです。

さて、最後に生徒たちに質問しました。
「四季の中で1つの季節だけ他の3つと異なる点が挙げられている。それはいつで理由は何か答えよ。
 ただし、答えは二通りある」
と。
1つは、特に応用クラスでは簡単に答えが出ました。
「冬:理由は他の3つの季節はよいことしか書いていないが、冬だけ'わろし'とよくない点も書いてある」
正解です。
2つ目は、なかなか正答が出ませんでした。答えを聞くと「な~んだ」と思われることなのですが、意外と盲点のようです。
皆さまはお分かりになりますか?
ヒントをお教えいたしましょう。まず季節は「秋」です。
この季節だけ、ほかの3つにはないあるものが書かれています。
そうです!その答えは「音」です。
他の3つの季節は視覚的な描写ばかりですが、「秋」だけは聴覚にも訴えているのですね。

さすがは日本の誇る天才女流文学者清少納言
さまざまな工夫が凝らしてあって、実に読み応えがある文章ですね。
皆さまは、いつの季節のどの時間帯がお好きでしょうか?
私は・・・夏の夜でしょうか・・・朝には弱いので(^^ゞ


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