私が今教えている集団塾は、年間を通して全ての曜日の回数を等しくするために、
一般のカレンダーとは少し違った年間予定を立てています。
今月の通常授業は昨日、月曜日で終わり。今日の火曜日は一日お休みです。
そして明日の水曜日から春期講習が始まります。

中学生は各教科4日間、1日2時間ずつ。小学生は算数国語を1時間ずつ同じ日に、4日続けます。
地震の影響もあり、また原発の被害を恐れて、小学生以下のお子さんをお持ちで関西以南に親戚があるお宅は、
春休みいっぱいそちらに子どもだけ避難させることもあるようです。
新5年生のある男子生徒の家も、大阪におじいちゃまおばあちゃまがいらっしゃるらしく、
学校が休みになったらすぐに行くという話でした。

その生徒が先週の最終授業の後その予定を話してくれて
「先生、ボクは講習会に出られないんですが、その代わりに何を勉強したらいいですか?」と聞いてきました。
そこで私は「今でなければできない経験をたくさんしていらっしゃい」と言ったのですが、よくわからない様子。
「テキストをやればいいですか?」とさらに聞いてきるのです。
だから「博物館や美術館に行くとか、本をたくさん読むとか。
あとはお父さんお母さんとたくさんお話すること。
おじいちゃまおばあちゃまのところに行くなら、それはとてもいい機会。
お話をたっぷり聞いていらっしゃい。ドリルや問題集をやるよりずっといい勉強になるわ。
小学生にとって大切なのは、机の上だけではできない勉強をすることもあるから。」と伝えました。

どこまで理解してくれたかはわかりませんが、地元の国立大学附属小学校に通う賢いお子さんなので、
なんとなくでも感じ取ってくれたことと思っています。
もちろん、講習会でする机の上の勉強も無意味ではありません。
その年齢のその時期に必要なことを整理して次につなげるための授業ですから。
でも、教室で机の前に座ってテキストを解くとは違う「勉強」もあっていいと思うのです。
講習会には出て欲しいですが、それが無理なら、せっかくだから違う勉強をして欲しい。
春期講習に出席してくれる生徒も、それ以外の時間にはいろいろな体験をしてほしいのです。
この、感性を育てる大切な小学生の時期に、
春休みいっぱい毎日、何時間も室内に閉じこもって人口光のなかで机にしがみついているのは
不自然であり、あまり勧めたいことではないと、私は思うのです。

まだまだ落ち着かない日常ですが、子どもたちの成長はめざましく、またたくましいものです。
この逆境をかえって自分の糧にすることは、難しいことではないでしょう。
たった6回しかない、いいえ6年の春休みは半分はもう小学生ではないので、実質5回ですね。
そんな貴重な春休みを、それぞれのご家庭の事情と現在の状況の中で、
全ての子どもたちが精一杯楽しんでくれることを願っています。
もちろん、避難所で不自由な日々を余儀なくされている子どもたちにも。
きっとこの時間は、あなたたちの未来を輝かせるために役立つことでしょう。
決して無駄な時間ではありません。
心からエールを送ります。

国語の先生のブログでした。
http://www.kokugonosensei.com/