ドックはおもちゃドクター
というアニメをご存知ですか？
ディズニーチャンネルなどで
よく放送されていた海外アニメで。
子どもたちが小さいときに
よく見ていました。
ドックという女の子が主人公で
家のおもちゃたちが不調を訴えると
診察をして治療をします。
その治療法が。
だいたい最後は
抱っこ！！
抱っこ一択！
あれやこれやと調べて
「分かったわ、ラミー。
あなたには、そう。
抱っこが必要みたいね！」
そして、おもちゃをハグしてあげるのです。
抱っこをしてもらったおもちゃは
実は寂しかったり
悲しい気持ちが原因で
うまく動けなかったことも多く。
ドックにぎゅっと抱きしめてもらうことで
ふんわりほんわかと安らいで
元気になるのです。
ドックが
「抱っこが必要みたいね！」と
ドヤ顔するたびに
いや、いつものやないかーい！
とズッコケたくなる一方で
これは真理なのだろうなぁとも
うっすら思っていました。
でも、私、ずっとできなかったです。
長男が癇癪起こしていても
抱っこしてあげればいいって
頭で分かっていても
頑なに、そうできなかったです。
イヤイヤ期からつい最近までずっと。
全力で親の愛、関心を求めるのは
イヤイヤ期も小6になっても
まったく変わらない長男。
長男にぶつけられるたびに
私は はね返してきました。
なだめたり
物でつったり
諭したり
怒りちらかしたり
つき放したり
うっすら分かってはいました。
この子は
無条件に受け入れてほしいだけだ。
かまってほしいだけ。
わかったよ大好きだよって抱きしめてほしいだけ。
でも、どうしても
できなかったんですよね。
抱っこしてあげたい。
抱っこなんかしてやるものか。
アンビバレント。
ひたすらに葛藤がありました。
一言で言えば
私の、愛着問題です。
自分でもなぜか分からなくて苦しかった
その頑なさ。
なるほど、そういうことなのかと
知識を得始めたのが5年前。
心のことを学び
頭では、納得を重ねていきましたが
葛藤はなかなか変わりません。
そんなことで？
また？
この忙しいときに？
わざととしか思えないんだけど！
お願いだから言うこと聞いて！
なんでいちいち困らせるの？
1日で何回やれば気が済むの？
そう思いながら。
困り果てイライラしながら。
うっすら「対処の正解」は分かりながら。
でも私は悪くないもん！
私は、なにも悪いことしてない！
なんで私が我慢しないといけないの！？
なんで私が優しくしてあげなきゃいけないの！？
って。
ぷんっっっ！！って
するしかなかった。
子ども VS 大人の姿をした子ども
根深ーーーーーーーーーい。
根深ーーーーーーーーーい。
ほんとーーーーーーーーに
根、深ーーーーーーーーーい。
一筋縄では、どうにもこうにもいきませんでした。
なんでしょうね。
頭では分かってても、そうしたくても
決してできなかったんですが。
たぶん、なにかどこかの
力がふっと緩まった瞬間があったんですかね。
こりゃダメだー
抱っこが必要みたいよね。
そう、抱っこが必要なのよねー。
うん、抱っこで解決できるんだよねー。
いっちょ、やってみるかー。ふへー。
ゲームで満足した終わり方に
持っていけず
声が大きくなるごとに注意され
キレまくってる小6息子に
手を広げて言いました。
なんだか、抱っこが必要みたいね？
おいで、抱っこしてあげる（キャピっ）
それは私にも息子にも
手応えがありました。
私だけでなく
息子もおそらく成功体験を得ました。
勇気を出して
恥をしのんで
暴れる感情に逆らって
抱っこしてもらいにいったら
暴言吐きまくって
飯なんか食わねーと
ドアをバーンと閉め
いじけこまないといけない展開を
回避できた。
いつもの嫌な時間を過ごさずに済んだ。
こっちの方がいいな。
そう、身体が知ったのであれば
それが成功体験ですよね。
味をしめた私たちは
それを、数回繰り返しています。
2回目は
褒めても、みました。
小さな子に声をかけるように。
えらいねー！
よくお母ちゃんに抱っこされに来られたねー！
これでもう大丈夫だねー！
抱っこができたらカンペキだねーー！
お互い
ある種の気色悪さ
バツの悪さ
もちろんあるけれど
それを息子も乗り越えて
抱っこされに来てくれているんだと思えると
こっちも照れていられないなと。
これはこれで
取っ組み合いで
ドックとおもちゃのような
ほわほわした時間ではないのですが。
できた！
やった！
それを共に獲りにいってる感じが
今はあります。
今だけで終わらないといいのに。
一過性の緩みじゃないといいのに。
確かな転機だったらいいのに。
ドックがこのままずっと、私の中で息づいてくれたらいいのに。
そう思います。
その後の話
