ココサポ・プログラム 講師の青木です。

 

2000年頃に練馬区の冒険遊び場の立ち上げに関わったことがあります。

「冒険遊び場」というのは

「子どもたちが自由に遊びたいと思ったことを自分の責任で十分に遊べる」公園です。

そこには子どもたちの安全に気を配ったり、遊びを応援する「プレーリーダー」という大人がいますが、指示、命令はしません。

今、練馬区内には都立石神井公園、光が丘公園、たて野公園などにあります。

普通は公園の中ではできない、

「木に登ったり、穴を掘ったり、火を焚いたり、秘密基地を作ったり」することができます。

 

その立ち上げのためにいろいろなところでゲリラ的に、遊び場を展開していた時のことです。

三原台の児童館の木も何も無い空き地で、そこにはスコップと、バケツと、水しかありませんでした。

こんなところで、ゲーム漬けの今の子どもたちが遊べるのかと疑問視していた大人たちの予想は見事に外れました。

 

最初に、4年生くらいの男の子が穴を掘り出しました。

強制されたら、多分大人ででも5分で音を上げると思います。彼は黙々と掘り進め、ついには背丈くらいの穴を掘ってしまいました。

 

その隣で同じくらいの年頃の男の子が競うように穴を掘りだしていました。

その子がしばらく掘ったあとふっと思いついたのでしょう

「底の方で2つの穴をつなげよう!」と言い出しました。

最初に掘り出していた子は「嫌だ。」と拒否。

しかし、言い出した男の子は引き下がらず、「下でつなげたらどんなに面白いか。」を力説します。

そんなやり取りがしばらく続いたあと、最初に掘っていた子は

その申し出を受け入れて、二人は「地下トンネル」を掘り進めました。

 

確か昼ごはんもそこそこに、ほぼ一日掘っていたのではないかと思います。

(埋め戻しにとても苦労しました。)

ついに開通した時の、二人の達成感に満ちた、得意げな顔は忘れられません。

どろんこになって(お母さんごめんなさい)でしたが、

彼らは学校では決して学べない多くのことを学んだと私は思いました。

 

自分の希望を達成するためには諦めない「忍耐力」と「体力」。

「工夫をしていく創造力」と「コミュニケーション力」「達成感」「自己肯定感」

どれも親である私達が子どもたちに付けて欲しいと思っている力です。

 

最初、私は囲ってまでこんな遊び場を作っていく意味がわからないでいましたが、

囲ってでも遊ばせる必要があるのだと今は思っています。

路地や空き地で昔私たちは思い切り遊んでいました。

今の子どもたちは「公園でさえボール投げもできない」という現実があります。

遊びの自由度の高い公園や遊べる路地や空き地を奪ってしまったのは大人です。

ならば大人がその遊び場を保証しなくてはならないと思うようになったのです。

 

もう一つ、この活動を通じて私が学んだことは「異年齢での遊びのすごさ」です。

この冒険遊び場では大きな子どもたちが高い木に登ったり、飛び降りたりとなかなか危険なことをしている割には

大きな怪我をすることが少ないのが特徴です。すごい身体能力です。

 

初めて遊び場に来た子たちの中には すぐには遊びださずにじーっと見ているだけの子もいます。

親たちはせっかく来たのに遊ばない我が子にじれて「遊ばないなら帰りますよ!」などと のたまう人もいるので、そんなときはプレイリーダーなどの大人の出番です。

 

小さい子たちは憧れの目で大きい子たちの様子をじーっとみています。

どんなふうに登り、飛び降りるのか、観察しているのです。

そして自分でもできそうかなと判断してやっと遊びだします。

決して無茶はしません。

きっと「いつかはあのお兄ちゃんのようにあそこから飛び降りて見せる!」と

密かな闘志を持っている子もいるかもしれません。

 

火や道具などの取扱も大きい子が小さい子に教えたり、注意したりと

「遊びや工夫の伝承」がなされているなと感じます。

大人が口で注意をしなくても、小さい子弱い子に対する思いやりを持っているのが伝わって来ます。

そしてそうやって世話してもらった子どもたちは、

大きくなって小さい子の世話をしてくれるようになっていきます。

 

異年齢で遊ぶことによって子どもたちにいろいろな力がついていっているの感じます。