このブログは、仏法画 『正法 第一章 諸天逆切 ~瞋りの怨嫉~』を説明するものである。

大聖人御在世は、武家の世の黎明期、乱世前夜の政治体制であり、鎌倉幕府が日本国の政治運営をしていた時代である。

 

末法濁悪 荒凡夫とは

 

 末法とは、釈迦仏の滅後二千年以降の時代を指す。この末法について、釈迦仏は重要な予言をされている。それは、「闘諍堅固・白法隠没(びゃくほうおんもつ)」とて、人々の心が荒(すさ)み大戦乱が打ち続く濁世となり、釈迦仏法も人々を救う力を失うということ。戦国時代は、応仁の乱より始まっている。西暦1467年のことである。末法は、西暦1050年頃より始まっている。御予言の通り、大戦乱が齎される濁悪の世ということを見事に予言なさっている。

 

釈迦仏の御予言

『大集経(だいしっきょう)』

「五箇の五百歳」

 

 第一の五百歳

解脱堅固

インド

迦葉・阿難等が小乗経を弘める

 

 第二の五百歳

禅定堅固

 インド

竜樹・天親等が権大乗を弘める

 

 第三の五百歳

読誦多聞堅固

 経典の翻訳や読誦・講説等が盛んになる。

鳩摩羅什三蔵

天台大師 法華経の迹門を弘め、理の一念三千の法門を説く

 

 第四の五百歳

多造塔寺堅固

聖徳太子 法華経・勝鬘経(しょうまんきょう)・維摩経(ゆいまきょう)を鎮護国家の方と定めた。

伝教大師が出現 比叡山に法華経迹門の戒壇を建立

 

 第五の五百歳

闘諍堅固・白法隠没

 

語訳

堅固

仏の予言はいささかの誤りもなく事実に成る

 

闘諍堅固

貪瞋痴の三毒が強盛となる。

大蒙古が全世界を動乱の渦に巻き込む

 

白法隠没

白法(釈迦仏の仏法)が滅尽する

たとえ経巻があっても功徳が失せ、人々を救う力が無くなる

釈迦仏法が、末法の衆生の機根に適合しなくなったゆえである。

 

荒凡夫の世

 末法に入り過去に下種を受けた本巳有善(ほんいうぜん)(本巳(もとすで)に善有(ぜんあ)り)の衆生は一人もいなくなり、衆生はことごとく本未有善(ほんみうぜん)(本未だ善有らず)の荒凡夫ばかりとなる。

 

下種とは

 最初の仏が、久遠元初の自受用身であられる。そしてその本仏は、大慈悲を起こされ、一切衆生をも成仏の境界に入れしめんと、思召された。この最初の化導を「下種」という。

 釈迦仏が御誕生なさる遥か昔の「久遠元初」にも成仏の大法「南無妙法蓮華経」を人々の心田(しんでん)に下(おろ)されたのである。その御化導が日本の久遠元初の自受用身によって再びいっさいの衆生を成仏の道へと御導きとなる御化導なさる時が「末法濁悪」の世である。

 

仏法画2番目「末法濁悪 荒凡夫」はそのことを顕わしている。

 

仏法画②

                       荒

 

                   末  法  濁  悪

 

                       凡

 

 

                       夫

 

『神力品』の御予言

 末法に、三世十方の諸仏の根源たる本仏が出現して、人類を破滅より救済し給うことが明白に予言証明されている。

 

根源たる本仏、日蓮大聖人こそ、予言証明に照らされて「末法」の日本国に出現された久遠元初の御本仏であられる。

 

下種仏法は、一生成仏の大法。

 

謗った者は、悪道に堕して無数劫(むしゅこう)を経て再び生まれてくる。

逆謗・退転して一生成仏の叶わなかった衆生は、無量・無数億の数にのぼる。

 

久遠元初については、仏法画⑤を参照。