浅井昭衞会長 講演

 亡国の大罰の中に広宣流布は一時に成る

六千万人が信じ奉れば事実上の広宣流布

その時「御生骨」は大光明を放ち給う

 

以下は、顕正新聞平成28年(2016年)5月24日の講演内容一部抜粋である。

2016年参議院選挙が7月に行われる予定であり、この時点での冨士大石寺顕正会の主張がどのようなものであったのかを確認することができる。

小生が半信半疑の時代の事である。

無論、安倍晋三の創り出した戦争法だけは、徹底的に糾弾せねばなるまいとその怒りは、天をも貫く心持ちであった。

 

一部抜粋

 

 広宣流布を証明する大現証

 

 大聖人様は、羅什三蔵の「舌焼けず」の現証によって中国に法華経が一時に広まったことについて、撰時抄に

「殊に法華経は漢土にはやすやすとひろまり候いしか」と仰せられている。

 いま御生骨の大現証は、羅什三蔵の「舌焼けず」に勝ること百千万億倍です。まさしく御生骨の大現証こそ、広宣流布を証明する大現証なのであります。

 

 現証を示し給うは大慈大悲のゆえ

 

 いいですか。仏様が我ら凡夫に現証をお示し下さるのは、偏(ひとえ)に大慈悲のゆえです。

 

 甚深の教義だけでは凡夫はわからない

 

 凡夫は難しい教義だけでは誰もわからない。甚深の道理だけでは、いかにお聞きしても理解できない。あまりに仏法は深すぎて理論だけではわからないのです。

 そうでしょう。大聖人様は実に、三世十方の諸仏の根源の仏様、久遠元初の自受用身・末法下種の本仏であられる。

 この甚深の御境界を、何とかして我ら凡夫に信解せしめんと

 開目抄には五重の相対を説いて「一念三千の法門は、但(ただ)法華経の本門寿量品の文の底に秘して沈め給えり」とお示しくだされた。

 また観心本尊抄には五重の三段を説いて「彼は一品二半、此れは但だ題目の五字なり」とお示しくだされた。

 また常忍抄には「日蓮が法門は第三の法門なり」と示され

 さらに四十九院申状には「第三の秘法今に残す所なり」とご教示下された。

 しかし我ら智恵浅き凡夫には、この甚深の御法門はなかなかわからない。

 ゆえに阿仏房尼御前御返事には

「大智慧の者ならでは、日蓮が弘通の法門分別しがたし」と。

 この仰せのごとく、大智恵の者でなければ、大聖人の弘通あそばす御法門は分別し難いのです。

 

 眼前の証拠を以て信ぜしめ給う

 

 しかし「難しい」「わからない」「信じられない」では、誰も成仏できない。

 ここに大聖人様は大慈悲を起こされ、誰にもわかる眼前の証拠「現証」を以て、信ぜしめ給うのです。何とも有難い大慈大悲ですね。

 ゆえに、第一回蒙古襲来の翌建治元年の法蓮抄には

「近き現証を引いて、遠き信を取るべし」

 眼前の現証を見て、仏様の甚深の御境界を信ぜよ―と。

さらに同抄には

「現在に眼前の証拠あらんずる人、此の経を説かん時は信ずる人もありやせん」と。

―現在に眼前の証拠のある人が、法華経の肝心たる寿量文底沈秘の大法を説くとき、人は始めて信ずるであろう―と仰せあそばす。

 

※建治元年は、1275年から1278年の期間。

 

後宇多天皇 鎌倉幕府 惟康親王(これやすしんのう) 第7代征夷大将軍。  執権 北条時宗

鎌倉幕府は、第9代守邦親王(もりくにしんのう) 執権 16代北条守時(もりとき) 17代(?)北条貞将(さだゆき)1333年まで

後醍醐天皇は、建武の新政を元弘3年(1333年)に開始

 

「眼前の証拠」は三つ

 

 では、この「眼前の証拠」とは何か―。

これまさしく竜の口と大蒙古の責め、そしてもう一つ、広宣流布のとき光を放つ御生骨であります。

 

竜の口の大現証

 

 竜の口の大現証はもう理屈ぬきでしょ。
 国家権力が、ただ一人の大聖人の御頸を切らんとしたが、「月のごとく光たる物」の強烈なる輝きによって、太刀取りは眼(まなこ)くらんでその場に倒れ伏し、兵士たちもことごとく逃げ出し砂浜にひれ伏してしまった。
 このような不可思議・荘厳な光景は、この地球上、人類の歴史において未だ曽てないのです。
 兵士たちはこの大現証を眼前にしたのち、しばらくして大聖人様を本間六郎左衛門の邸まで案内申し上げた。
 そして翌日、一同うち揃って、頭(こうべ)をうなだれ手を交(あざ)えて大聖人様の御前に進み出て、口々に申し上げた。
 「このたびのこと、いったい貴方さまはいかなる御方なのでございましょうか。阿弥陀仏を謗(そし)ると聞いていたので憎んでおりましたが、昨夜来、まのあたりに拝みまいらせたことなど見れば、あまりの尊とさに、これまで唱えていた念仏はもう捨てます」)下種本仏成道称・取意)
 といって数珠を切り、あるいは誓状を差し出した者までいた。
 まさに彼らは眼前の証拠を見て、理屈ぬきに命で御本仏を感じた。そして殺意が一変して帰依になったのであります。
 
 大蒙古の責め


 蒙古の責めもそうでしょ。
 立正安国論において大聖人様が「他国侵逼」を御予言されたときは、日本国中これを信ずる者は誰もいなかった。

立正安国論において大聖人様が「他国侵逼」を御予言されたときは、日本国中これを信ずる者は誰もいなかった。信じないだけではない、かえって国中が大聖人様を憎み、流罪・死罪に処し奉った。これ邪宗の坊主どもが煽動したからです。

 しかし御予言は一分も違わず。立正安国論より十四年後、日本を亡ぼすに足る圧倒的な大蒙古の責めがあった。

 このとき、国主の北条時宗は改悔しているのです。

 日寛上人は、日本国んぽ亡びなかった理由の一つに、この国主改悔を挙げておられる。

 

 「一閻浮提第一の聖人」

 

 この蒙古の責めの直後、大聖人様は次のごとく仰せられている。

 「日蓮は一閻浮提第一の聖人なり。上一人より下万民に至るまで、之を軽毀して刀杖(とうじょう)を加へ、流罪に処するが故に、梵と釈と日月・四天、隣国に仰せ付けて之を逼責するなり」(聖人知三世事(ちさんぜのこと)と。

 「日蓮は一閻浮提第一の聖人なり」とは、日蓮大聖人こそ久遠元初の自受用身であるということです。

 まさに大聖人様は「竜の口」と「他国侵逼」という二つの「眼前の証拠」を以て、日蓮大聖人こそ末法の全人類をお救い下さる久遠元初の自受用身であられることを、お示し下されたのであります。

 この大慈大悲の日蓮大聖人を、日本一同恋慕渇仰して、その御名(みな)を南無妙法蓮華経と唱え奉る時が広宣流布です。このとき、御生骨が光を放つのであります。

 

 広宣流布はもう近い

 

 その広宣流布は、もう近いですね―。

なぜか。

 大聖人様は

 「大事には小瑞なし。大悪起これば大善きたる」(大悪大善御書)と仰せあそばす。

 

 大悪すでにあり

 

  正系門家において、いま宗門は国立戒壇建立の御遺命を抛(なげう)ち、学会は本門戒壇の大御本尊まで捨て奉った。これ以上の大悪がどこにありましょうか。

 この極悪の大悪が起きた以上、広宣流布の大善も必ず近く到来するのであります。

 

 政治次元の大悪

 

 また一国の政治を見るに、戒壇の大御本尊の敵(かたき)となった創価学会と、「神の国」実現をめざす安倍自民党が、いま手を組んで日本の政治を壟断(ろうだん)している。これ政治次元での大悪であります。

 

 「神の国」をめざす 安倍政権

 

 「神の国」について、少々説明いたします。

 安倍政権は、日本最大の右翼団体「日本会議」に支配されていると言っても過言ではない。

 その証拠に、第三次・安倍内閣の全閣僚十九人のうち、「日本会議国会議員懇談会」に所属している閣僚は一六人で、八割を超えている。

 また日本会議の別同組織である「神道政治連盟国会議員懇談会」に加入している国会議員は、衆・参あわせてなんと三〇四名もいる。この会長を務めているのが、誰あろう、総理大臣・安倍晋三であります。

 そしてこの神道政治連盟のめざすところが、「神の国」なのです。

 すあわち伊勢神宮に祀られている天照太神をはじめ、日本古来の神々を国の大本にしようとしている。つまり戦前の国家神道の復活と見ればいいのです。

 

 聖徳太子のときすでに決着

 

 いいですか。

 日本古来の神々と仏法との関係は、聖徳太子のとき、すでに決着が付いているではないか。

 日本に仏法が初めて渡来したのは第三十代欽明天皇の御宇です。

 

御宇 : 君主が天下を治めている期間。天皇の御治世。

 

 朝鮮の百済国から伝えられたのです。

 欽明天皇は仏法を用いるべきか否かに迷い、これを群臣に諮った。このとき豪族の物部氏は断固反対し、「日本古来の神々を崇めるべき」と主張した。もう一人の豪族・蘇我氏は仏を崇めるべきを主張した。

 排仏派・物部と宗仏派・蘇我の争いは長きにわたった。

 このとき、若き聖徳太子が、何としても仏法を守らんとして蘇我氏と共に、命かけての仏法守護の戦いを起こした。

 そしてついに聖徳太子は勝ち、物部は亡んだのです。

 

 仏は主君、神は所従

 

 このことについて、大聖人様は曽谷抄に

 「ついには神は負け、仏は勝たせ給いて、神国はじめて仏国となりぬ」

 と仰せられている。すなわち、仏は主君であり神は所従であることが、このとき決まったのであります。

 

 いいですか。日本国は、久遠元初の自受用身たる日蓮大聖人が御出現になる国ですよ。ゆえに前もって天照太神・八幡大菩薩はこの国の国主として出現し、御本仏を守護し奉ることになっている。これが日本の「善神」といわれる天照太神・八幡大菩薩です。

 しかるにいま安倍政権は、大事な主君たる日蓮大聖人を無視して、日本を「神の国」にしようとしている。

 そしてこの政権に、戒壇の大御本尊の敵(かたき)となった創価学会・公明党が野合し、協力している。

 どうして、諸天、怒りをなさぬ道理があろうか―。

 

亡国の前相いま次々と・・・

 

 ここに今、日本が亡国となる前相が次々と現れつつあるのであります。

 

 巨大地震の連発

 

 その第一が「巨大地震の連発」です。

 3・11の東日本超巨大地震より五年後の本年、震度7が二度も連続した熊本大地震が発生した。この熊本地震は、日本列島で最大・最強の「中央構造線断層帯」が動き出したことを意味する。

 今後、この中央構造線断層帯において、同じような内陸型直下地震が次々と誘発されて起きる。加えて、前々から言われている首都圏直下と南海トラフ巨大地震も遠からず発生する。

 きょうも海上保安庁の海底観測の結果が、一般新聞に発表されていましたね。それによると、南海トラフで起きる地震の想定震源域に、相当なひずみが蓄積されているとのことです。

 これら「巨大地震の連発」こそ、他国この国を襲う前相の第一であります。

 

 経済崩壊

 

 第二には、現代の飢渇(けかち)(飢饉)ともいうべき経済崩壊です。

 安倍政権は異次元金融緩和で景気上昇を図った。これは最初から、政権維持を狙ったペテン政策です。

 日銀総裁を黒田に替え、お札をどんどん刷らせて国債を買い取らせ、カネを市中にジャブジャブにさせるというものです。

 ところが、二年で物価上昇率を2%にするとした目標が、どうしても達成できない。黒田日銀総裁は目標達成期日を何度も変更しているが、未だに達成できない。

 しかし、この2%上昇はやがて必ず達成できる。当然のことです。これだけおカネをジャブジャブにしているのだから。必ずできる。

 

 2022年2月12日現在、米国はインフレ率7%超となり、金融引き締めに移行することになった。日本も遠からず、2%目標は達成されそうである。今回の予言は、的中する勢いとなろう。

 

 必ずハイパーインフレに

 

 だが恐ろしいのは、そのあとです。物価上昇が2%で止まってくれればいいが、止まらなくなる。制御不能になってしまう。

 そして極端な物価上昇、いわゆるハイパーインフレになってしまうのです。

 日銀の異次元金融緩和政策には出口がない。もしこの金融緩和をやめて日銀が国債を買わなければ、国際価格は暴落し、金利が暴騰する。やがて国家破産にいたる。だから、やめようとしても日銀はやめられない。行くところまで行ってしまう。

 もしハイパーインフレになって、物価が一年で100倍、200倍に上昇したら、国民の生活はどうなる。

 給料も同じように100倍・200倍と上がればいいけれど、給料は上がらない。物価だけ上がったら、生活が立ちゆかない。

 

 国民は奈落の底に

 

 そのうえ国家破産を避けるため、政府は銀行預金を封鎖し、大増税で国民の資産をむしり取る。かくて国民は奈落の底に突き落とされる。これがアベノミクスの成れの果てです。

 そう遠い先ではない。間もなく現代の飢渇が起きてくる。そのとき国民は始めて「騙された」と気づくのです。

 仏法に背く国においては、やることなすこと、すべて裏目に出る。まさしくこの経済崩壊も亡国の予兆なのであります。

 

自戒叛逆

 

 そして第三は自戒叛逆―。これが沖縄問題ですね。

 このことについては、ちょうど一年前の昨年五月の総幹部会でも触れましたが、以来、事態は悪化する一方であります。

 

太字は小生