30年の歴史ある遊園地が時代に取り残されていき閉園が決まる。閉園日に訪れた客たちの心情を紡ぐ物語。

遠距離恋愛に悩む女性、1ヶ月に一度息子と会う男性、認知症の妻を連れてきた男性のお話など閉園が決まった遊園地の最後の日に訪れた人々の人間模様が切なかったり、微笑ましかったりの物語。

特に印象深かったのは、昔メリーゴーランドに乗って微笑む妻を撮った写真が賞を取って遊園地に飾られている男性が認知症になった妻を伴ってやってくる話です。ご飯を食べたのも忘れる、失禁をしてしまう妻がこの遊園地でメリーゴーランドに乗った想い出をハッキリと夫に伝え一瞬、夫に喜びが戻るけれどすぐに現実に戻されてしまう悲哀の入り混じったストーリーに胸打たれました。