癌ステージⅣの余命宣告を受けた主人公はホスピス「ライオンの家」で最期を過ごすために瀬戸内海にある島を訪れるところからストーリーが始まります。読み始めは覚悟を決めたとは言えまだ体力的に衰えが感じられず、身体によい食事で穏やかに過す姿が描かれます。温暖な瀬戸内海の島の風景が伝わって風のぬくもりさえ伝わってきました。でも主人公は日々病魔に命を削られて、最後はよくある三途の川を行ったり、戻ったり。意識の揺らぎが死にゆく人の意識を体感したようなリアルさで迫ってきました。
亡くなってからの魂の描写は私は魂、零と言うものを受け入れないのでちょつとありきたりな終わり方、平凡過ぎるなと感じました。
繰り返し読み返したくなる表現がたくさんありました。再度読み直したい一冊。