2024年-60冊

ヤフーブログから移行1635冊

アメーバブログ607冊

計2242冊

エンジェルフライト(佐々涼子)

 

2014年11月25日

集英社文庫

2012年11月

集英社刊行

 

284ページ

 

国境を越えて遺体や遺骨を故国へ送り届ける「国際霊柩送還」という仕事に迫り、死とは何か、愛する人を亡くすとはどういうことかを描く。第10回開高健ノンフィクション賞受賞作。(解説/石井光太)

 

前々から興味のあった作家さんです

読みたい作品がたくさんあります

これが一冊目です

 

ページ数は少ない本ですが

時間をかけて丁寧にゆっくりと読みました

一行たりとも読み飛ばしたくない気持ちでした

 

国際霊柩送還士の仕事を初めて知りました

世の中には広く知られることのない

尊い仕事がたくさんあることを思います

 

遺族の心を支え

そして

忘れられていく仕事と言うスタンスです

 

わたしは妹との別れを思い出しました

事情があり妹とは30数年会えないまま

再会は遺体となった妹とでした

年月の間に妹は年齢を重ね

記憶の中の妹ではなかったけど

面影は残っていました

悲しみも湧かず

傍観していたわたしに

葬儀社の方が

お顔に触って声をかけてあげてください

と言ってくれました

冷たくなった妹の頬をなでて

「みほちゃん・・・やっと会えたね」

と声をかけて初めて涙が溢れました

 

そういった別れを出来ないまま

荼毘に付されていたら

わたしは妹との距離が遠いまま

今も戸惑っていたような気がします

 

あの時の葬儀社の方のアドバイスは

あとから振り返ってもプロの技でした

 

このノンフィクションは

佐々涼子さんの取材姿勢から

人間味と心が伝わってきます

血の通ったノンフィクションだと感じます

 

他の作品も読んでみたいです