トラウマとは、心的外傷と訳します。
つまり、心にできた傷のことなんです。
トラウマを負うほどの経験を「トラウマ体験」と呼びます。

そして、トラウマ体験後に起こる心の病気がPTSDです。
PTSDとは、「心的外傷後ストレス障害」と言います。


人の心は、事故、自然災害、暴力、性被害などの命が脅かされるような体験を自分自身が経験した場合にPTSDになることがあります。
それだけではなく、間接的にトラウマ体験をした場合にもPTSDになることがあるのです。

上記のような場面を目撃した、親しい人がそのような経験をしたという事実を知ったような場合がそれにあたります。

また、自然災害や事故など1回のトラウマ体験によるものを「単純性PTSD」と呼び、虐待などのように繰り返し継続的にトラウマ体験を経験した場合は「複雑性PTSD」と呼びます。


トラウマを経験した人は過去を過去にできないことに苦しんでいます。
過去を過去にしていくためには、実は言葉が大切な役割を果たすことがあります。

トラウマティックな体験のイメージがフラッシュバックすることで、心の傷は繰り返しえぐられ、痛みます。
ですが、そうした体験を信頼できる人がいるところで言葉にしていくんです。

常にふわふわしている〝トラウマ〟の記憶は、イメージとして、その人の今も未来も脅かすことがあります。

しかし、その〝トラウマ〟を一つひとつ言葉にしていくんです。
できたら、信頼できる人にひたすら傾聴してもらうんです。

そうした体験によって、〝トラウマ〟の体験は消えるわけではありませんが、イメージが些細なことで鮮明化して日常を脅かすことがなく、心の引き出しの中にしまえるようになっていくんですね。

自分で開けなければ、引き出しから勝手に日常生活にでてこない記憶へと変化をしていくわけです。


様子をみていてもよくならない場合は、薬による治療やカウンセリングによる治療が効果的です。
心療内科や精神科、心理カウンセラーなどの専門家に相談しましょう。

加藤絢子ひらめき