鵞鳥湖の夜 | 瀬戸内ログ

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個人的備忘ログ。主に映画の感想記録。極力ネタバレ無し、と思って書いてきましたが、備忘録なのに制限かけるとか面倒くさくなったので好きに記録する事に変えました。ネタバレを含むのでご注意を。
当面、多忙につき映画鑑賞記録が疎かになります。

【 鵞鳥湖の夜 】

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「薄氷の殺人」で第64回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した中国の気鋭ディアオ・イーナン監督が、中国社会の底辺で生きる人間たちの現実を鮮烈な映像で描いたノワールサスペンス。2012年、中国南部。再開発から取り残された鵞鳥湖(がちょうこ)周辺の地区で、ギャングたちの縄張り争いが激化していた。刑務所を出て古巣のバイク窃盗団に戻った男チョウは、対立組織との争いに巻き込まれ、逃走中に誤って警官を射殺してしまう。全国に指名手配された彼は、自身にかけられた報奨金30万元を妻子に残すべく画策。そんな彼の前に、見知らぬ女アイアイが妻の代理としてやって来る。鵞鳥湖の水辺で娼婦として生きる彼女と行動をともにするチョウだったが、警察や報奨金強奪を狙う窃盗団に追われ、後戻りのできない袋小路へと追い詰められていく。「1911」のフー・ゴーが主演を務め、「薄氷の殺人」のグイ・ルンメイ、リャオ・ファンが共演。2019年・第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

 

 

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絶望の中に一筋の光を見出した男と女。それぞれに立場は全く異なるものの、救いを求める為に自ら伸ばした手の先が僅かに触れ合う一瞬の美しさ、とでもいうか。 映画観たなって感じ。 観てる間は正直言って訳わからないしおかしなことばっかりやるんだけど違和感を感じたり不満を抱くことが全然無い。

ディアオ・イーナン監督の力量というものか、好きだ。

 

 

この映画は人生の、どうにもならない運命のようなもの、理不尽さ、そこに介在する光と闇をその瞬間瞬間に強く明滅させながらフラッシュバックのように見せてくれるくれる作品でした。

 

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グイ・ルンメイ。とにかく美しい。水浴嬢、という職業は初めて知りましたが、なにかこの隔世感、非現実なオーラを元々もっているように見える不思議な女性。

 

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のっけから吉田栄作に似てるなと思ってたら、町山広美さんもパンフレットに書かれていましたw 彼女は吉田栄作と波留、と見ていたそうですが、私は吉田栄作と深津絵里とかぶらせて観ていました。

それにしてもこの包帯を巻くシーン、本当にカッコよかったです。全然意味はないんですけどw

 

 

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リウ警部を演じたリャオ・ファン。作品冒頭ではチョイ役なのかなと思っていたらところがどっこい、ラストに向けて非常に重要で良いエッセンスをこの作品に加えていました。

それにしてもこの私服警官のバイク軍団疾走シーン、私は

『MADMAX』やん!wと観ていました。

 

 

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吉田栄作と深津絵里ですw

グイ・ルンメイさんの妖艶さよ。。。

 

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予告でも使われていた広場で皆がダンスを踊るシーンで、私服警官たちが履いていたこの光るスニーカー、うちの娘も持ってました。一回も履きませんでしたけどなんでやねん!!!w

この死体と光るスニーカーのシュールさよ。

 

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逃走劇にありがち、というかマストな感じの食べ物をかき込むシーン。

作品前半でグイ・ルンメイ演じるアイアイがワンタンを食べる時にも思ったんですが、全然美味しそうじゃないし食い方もやたら汚い。まったくツバ出ませんよね。絵的にはカッコいいんですが。

 

ホントよく分からない作品なんですけど、随所にキレキレの映像表現があり、ノワールで、シュールで、コミカルで、俳優一人一人が冴えてる。

なんのこっちゃ分からんけどバランスの良い感じ、鑑賞後の満足感はとても良質なものがありました。こんなぼんやりとした事しか書けないのがなんとも歯がゆいのですが。

ディアオ・イーナン監督、要チェックや。