5−1 こころのとまり木    久しぶりの関東、女子医大検査 

 

久しぶりに女子医大に来ました。

 

というよりも久しぶりの関東です。

 

以前に来た時に、ここで小林亜星さんを見かけました。

 

亜星先生は慶應義塾普通部の卒業生です。

 

流石に病院ではお声がけしづらかったです。

 

何せプライベートですからね。

 

その翌年、残念ながら亜星先生はご逝去されました。

 

ご冥福をお祈り致します。

 

お声がけしておけば・・・・・。

 

私が亜星先生にお会いしたのは本校の慶應義塾普通部創立記念の作曲を依頼した時でした。

 

先生はジャガーで小料理屋まで連れて行ってくださいました。

 

私は初めてジャガーの皮張りシートに座らせて頂きました。

 

先生は我が校の卒業生です。

 

先生はとても屈託のない人柄。

 

自前の「越の寒梅」を振る舞ってくださいました。

 

素敵な小ぶりの切子のぐい呑みで。

 

先生は、大学は医学部をお辞めになって経済学部に転科して作曲家になったそうです。

 

中学の同じクラスにはクラシック作曲家の林光先生がいたそうです。

 

亜星先生は謙遜からか林先生のようにクラッシックがやりたかったとしきりにおっしゃっていたのが印象的でした。

 

笑いながら自分の音楽をヤクザな音楽とおっしゃっていました。

 

それがまた実にカッコいい。

 

何せ、あの有名な日立の「この木、何の木、気になる木」、レナウンの「わんさかさっさ」を作曲なさったのに。

 

楽しいお酒でした。

 

帰りがけにあの有名なサントリーウイスキーの宣伝、「ロンロン、シュビー、シュビダビ」のミニCDを頂きました。

 

後で知ったのですが千葉の千倉の「サンド・カフェ」が先生のお気に入りだったそうです。

 

別荘が千倉にあったそうです。

 

私もここがお気に入りで、出来た当初から久里浜港からよくフェリーで渡って行きました。

 

マスターと亜星先生の話をしたことはありませんでした。

 

ここの深入りコーヒーは絶品。

 

カップは陶芸家、写真家の浅井慎平氏の弟さんのものです。

 

ここのシーフード・カレーがまた実にうまい。

 

年取ると話がつきませんね。

 

 

 

 

 

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三階の食事が取れるテーブルに行き、「あんぱん」をかじりながら階下の待合の大勢の人々を見ていました。

 

この大勢の人たちの中に一人くらいは私を必要としている人がいるのではないか。

 

そんなことを漫然と考えました。

 

名刺をこのテーブルに置いて帰ろう。

 

恥ずかしさと何とも言えない高揚感が心をよぎりました。

 

自分にとって小さな小さな冒険でした。

 

ワクワクしながらも戻って回収しようかと・・・・・。

 

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残念ながら当然のごとく、その後なんの連絡も入りませんでした。

 

検査の結果は?

 

あまり良くありませんでしたよ。

 

いまだに、怪しい名も無い私に連絡はありませんよね。

 

でも、なんだか楽しかったな!

 

5−2に続く