教師塾 12        ある生徒の立ち直り 8 

今回は学校に出ずらくなった生徒の経緯とその立ち直りを少し細かく考察したいと思います。

 

現場の教師しか書けない内容だと思います。

 

大学の教職課程で私が講義した時のテキストです。

 

だからこの文章は悩み相談事例というよりも保護者、教師の参考になってもらいたいので教師塾のジャンルで投稿することにしました。

 

 

ある生徒の立ち直り 7の続き

 

6月3日 母親と遅刻で12:30に登校  今日は昼休みにA君のカウンセリング予約が入っていたが、友達と昼食を食べる約束をしたので母親から保健師に学校カウンセラーとの約束をキャンセルしたいと電話があった。

 

本校では保健師が学校カウンセラーとの間を取り持っているのである。

 

全く、一方的な母親だが、友達との関係性構築のため、私からもカウンセラーに直に詫びを入れた。

 

この日はクラブ活動の説明会があるが、その事と友達との昼食のことが気になって仕方がない様子。

 

友達との昼食にはかろうじて間に合った。

 

6月4日 不登校 母親より遅刻するとの連絡が入ったが、結局は来られなかった。

 

中々、一筋縄では行かない。

 

どうしても時間がかかる。

 

この辺の「待ち」が若い教師にはかなりきついかもしれない。

 

6月4日 登校  D君とはかなり仲良くなった様子。

二人でパンを購入して教室で食べていた。

 

ホッと一息か!

 

6月7日 不登校  母親から電話が入る。

クラブ活動の説明会の後に友人になったD君が運動部では比較的運動能力そのものとは別次元の取り組みができる〇〇部の入部を考えているらしいということを聞かされた。

 

A君は仲の良いD君に「一緒に入ろう」と勧められたらしい。

 

これは私から見ても悪くないと思った。

 

しかし、まだA君にはこの事は重荷なのだろうか。

 

それが原因で今日は不登校か。

 

まだまだ予断は許せないな。

 

これまで日追って事の推移を書いたのでA君の心の動きが読者諸氏にもご理解できるかと思う。

 

ある生徒の立ち直り 9に続く