教師塾12 ある生徒の対直り 6
今回は学校に出ずらくなった生徒の経緯とその立ち直りを少し細かく考察したいと思います。
現場の教師しか書けない内容だと思います。
大学の教職課程で私が講義した時のテキストです。
だからこの文章は悩み相談事例というよりも保護者、教師の参考になってもらいたいので教師塾のジャンルで投稿することにしました。
ある生徒の立ち直り 5の続きです
5月31日 登校 この日は特に変わったことはなかった。
授業終了後、いつもの様に母親が迎えにきて連れ立って下校。
6月1日 登校はしたが 保健室で休息。
二限目に母親が登校。
本日は休ませたかったが、父親が登校を強く進めるので困っている様子。
作品展の計画表と美術科の課題の作品を提出して下校した。
父親と彼の間の話し合いはあった模様だが、今はともかく学校へ行くということが父親の焦点になったようだ。
しかし、当初の父親の彼に対するっプレッシャーは学業の期待から登校へ置き換わっただけで、彼との心の通った本音の話し合いはなされないままだった。
したがって両者の関係は改善が見られないままだった。
息子を丸ごと受け入れることが父親には、今一番しなければならにことではあるのだが。
この辺の父親のズレはなかなか理解されない。
こちらも人ごとなながら、イライラがつのる一方。
本人には父親から言われるのではなく、自分の意思で学校に行けるようになれといいねとソフトに伝えたが。
彼が言うには、徐々であるがクラスに対するストレスがなくなってくた様だ。
これは今までで一番、明るい情報だ。
だが、父親との関係修復が未だなので問題は残る。
ここから私はどうするか、決めなければならない。
父親を未熟として切り捨てて、彼を大人にしていくという手もあるわけだが。
でも、いくら彼が大人ぽいと言ってもまだ1年生だし、入学して2ヶ月。
親を越えるにはちと時期が早すぎか。
これが2・3年生だったらと考える。
今の彼には私、神経科の医師、学校カウンセラー、保健師という相談できる人がいる。
これで何とか乗り越えられればいいかな。
学校カウンセラーに父親に対する意見をお聞きしたが、ほぼ私と同じ感じだった。
カウンセラーは父親の存在がかなりのプレッシャーになっていると言っていた。
かなり前に私は母親は父親と違って子供を産んだと言うことがつまり、母性があるから甘くても許されると言うことを書いた。
今回もきっと母親としては息子に対して甘やかしがきついのではあるが、ここが父親という存在と根本的に違う。
つまり母親の子育て失敗は許される。
しかし、大方、父親の失敗、過干渉は許されないのである。
関わらない方がまだマシなのだ。
特に相手が息子だと。
(最近はこのことのトーンが下がり気味!、子供を愛せない母親のケースに遭遇した!)
ある生徒の立ち直り 7 に続く