学校生活  1−1 

 

 今日は小説です。事実を下書きにした。でも小説としてお読み下さい。記憶違いがあるかもしれませんから。昔の話です。

 

だから小説!

 

 僕が赴任したその学校はこの都市でも一、二の荒れた学校。僕の前任の先生はメガネが割れていて、顔に刀傷がありました。「ここで3年やれたら一人前だぞ。気をつけろよ」

 

 いきなり赴任してすぐに2年生の担任。

 

 この学校をよくするのにはどうしたら良いかということでクラスの生徒、A君から面談を希望されました。彼はちょっと小太りした生徒で語ると熱くなるタイプです。

 

 生徒会にも立候補して確か書記をやっていたと思います。

 

 まずこの学校の問題点を上げてみたらと言ったら、

 

・なんと言っても番長グループの存在。歴代グループが学校を牛耳っている。

 

・時々、番長グループからいじめられている人を見かける。

 

・カツアゲがある。

 

・外の世界と繋がっている先輩が来てすごく怖い。

 

・生徒会活動にチャチャを入れられるのでビクビクして暮らしている。

 

 独特の番長グループが困った存在らしいということでした。

 

 当時、先生方もこのグループには手を焼いていました。でもそうなのに彼らと上手くやっている先生がその学校では闊歩していました。

 

 優越感を持って。きっとこれは生徒にも分かっていたと思います。

 

 僕は来たばかりの新米教師。そしてA君の2年生の担任。きっと彼は僕に何か期待をしていたのでしょうか。

 

 当時の僕は思いました。こんなに辛い環境なのにどうして皆、学校に来るのだろうと。事実、僕のクラスにも不登校の生徒はいませんでした。

 

 僕は彼との面接を通して漠然とした計画を思いつきました。

 

それはとりあえず僕のクラスから番長グループとの繋がりをなくそうとしたことでした。

 

 クラスでも繋がりそうな生徒は一目見れば、格好からすぐにわかります。特に何となく眼光が鋭い。

 

 そういう鋭い目のB君の様な生徒とは特に丁寧に面接をしました。取り敢えずラポート(心の交流)をとるのが先決でした。

 

 ある日、その眼光鋭いB君、独特の制服(ヨウラン)、ダボダボのズボンを履いてきました。

 

 いわゆるボンタンです。そしてお約束通りに細い白いベルト。髪の毛も立ってきました。眉毛も細く、額の生え際にはソリが入れてありました。

 

 不良少年の出来上がりです

 

 驚いた僕はすぐに彼を呼びました。どうも彼の話では先輩から目をかけられたらしいのです。制服とズボンをもらったらしいのです。

 

 僕に言わせれば目をつけられたということ。今すぐに辞めさせたいけどそうはいかない。しばらく様子見です。

 

 A君を呼びました。そして最近のB君のことを聞きました。不思議とA君はB君の外見をあまり気にしていません。彼に変わったところもないみたいでした。

 

 それからしばらくして保護者会でB君のお母様とお会いしました。彼の家での様子をお聞きすると服装のことは気にしていましたがそれ以外は特に変わったことはない様です。

 

 自分のズボンを寝るときに布団の下に敷いたり、出かける前に頭をチックで固めるのに時間がかかるくらいかなとおっしゃっていました。

 

 クラスの生徒を何となく呼び出し、B君のことを聞きました。誰も彼を疎ましいとは思っていない。彼の外観の変化を当然と思っている様でした。

 

 おかしな話です。A君は番長グループが怖かったのに、どうしてB君は大丈夫なのだろうか?だったら、彼の悩みは何だっ他のだろうか?同級生とはこういう物なのだろうか?

 

 僕は放課後のホームルームの時間に熱く生徒に語りかけました。今では何を話したのか覚えていませんが。

 

 

1−2に続く

 

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