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こんばんは~。
今日は、河合隼雄先生の本、『河合隼雄のカウンセリング講座』という本を読んでいます。
この本も、河合先生の他の本と同じように、とても読みやすいけれど内容は深いものになっています。
たくさんの内容が載っていますが、私は特に「見立て」について書いてある章と「コンプレックス」について書いてある章が印象に残りました。
今日は、その中から「コンプレックス」というテーマを採り上げて、書いていきます。
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私はカウンセリングを学び始めるまではずっと、「コンプレックス=劣等感」だと思っていたのですが、必ずしもそうでは無いようです。
どういうことかと言うと・・・
『「コンプレックス」という言葉は英語をそのまま使っていますが、もともと <複雑である> という意味です。
いわば、われわれの気持ちとか考えとかいうものが複雑にからみ合っていて、それがうまく整理できないでいる、そういう感情のからみ合った固まりをコンプレックスと言うのです。』
(『河合隼雄のカウンセリング講座』河合隼雄先生著(創元社/2000/P154)より引用)
「コンプレックス=感情が複雑にからみ合った固まり」ということです。
例えば、権威のある人がやってくると、心が不安定になったりおどおどしたりする人は、「権威コンプレックスがある」と言えます。
また、音楽を聴くだけでなんだか腹が立ってくるという人は、「音楽に対するコンプレックスがある」と言えます。
どちらも、対象となるものに対して、複雑にからみ合った感情の固まりが何らかの作用をしています。
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劣等感が関わってくるコンプレックスは、「劣等感コンプレックス」と言われています。
例えば、「自分は料理が下手くそだ」と思っている人がいるとします。
その人が他人の作った上手な料理を見て、「どうせ私は下手ですよ」といじけたり怒ったりした場合は、「料理に対する劣等感コンプレックスがある」と言えますが、
「自分は料理が下手くそだよ」と抵抗感無く言いながら、他人の作った料理を「美味しい美味しい」と喜んで食べる人は、劣等であるという認識はしていますが、「劣等感コンプレックス」は持っていないと言えます。
そこのところが大事で、カウンセラーは「料理が下手=料理に対する劣等感コンプレックスがあるはずだ」と決め付けてはいけないと思います。
そうならないためにも、カウンセラーは、自分にはどんなコンプレックスがあるのかをしっかり把握して、なるべく解消しておく必要があると思います。
※「決め付け=カウンセラーのコンプレックスが作用している」と考えることもできると思いますので。
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本の中には、クライエントさんがコンプレックスを複雑にからみ合った状態から整理していくという過程において、カウンセラーが気をつけるべきポイント等が分かりやすく書かれています。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
私の課題としては、クライエントさんから予想以上の大きな感情が飛び出してきた場合でも受容できる自分であると同時に、自分の限界を知っておくということ、そして限界を超えた場合の対処方法を確保しておくということですね。
器の大きなカウンセラーを目指します。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!
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