「甘える体験」のひとつのかたち (『お母さんはしつけをしないで』で学ぶ②) | あがり症・パニック症・対人恐怖は「あるがまま」で克服できる!

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こんばんは~。


今日は、長谷川博一先生の『お母さんはしつけをしないで』を読んでいます。


長谷川先生は、東ちづるさんのカウンセリングを担当した先生としても知られていますが、本に書いてある東さんの言葉に引き付けられたので、今日はそれをテーマとします。


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東さんが、長谷川先生とのカウンセリングで感じたことを語った言葉です。



『先生は「でもね」とか「しかし」なんてぜったいに言わない。

何を言っても聞いてくれる。

こんなに甘えたのは何年ぶりだろう・・・・・・、って。』

(『お母さんはしつけをしないで』長谷川博一先生 著より引用)



私は、これを読んで気付かされました。


傾聴することによって、胸のうちにたまっているものを吐き出してスッキリしてもらうこと(カタルシス効果)や、自己受容や自己理解の促進を援助することなどは意識していましたが、


「甘え」を体験してもらうということについては、意識していませんでした。


確かに、ありのままを受容し共感しながら、評価や批判や助言(大きなお世話につながりやすい)をせずに、どんな話でも聴いてあげるということは、「甘える体験」をしてもらうひとつのかたちと言ってもいいかもしれません。


小さい子どもが母親に話をしている場面をイメージすると、母親が評価や批判や助言などせずに、ただありのままの我が子を受け入れながら、「そうなんだね」と優しく聴き続ける感じでしょうか。


私には、イメージの中の子どもが、はじけるような笑顔で「こんなこともあったんだよ!」と元気に話し続ける光景が浮かびました。


その光景を再現できるようでありたい、そう思いました。



『甘える体験があってこそ、幼い心は満たされ、元気になって、苦難を乗り越えてがんばれる大人になっていくのだと私は思います。

不幸にして甘えが拒絶されてしまう体験が重なると、満たされない幼児的な思いは行き場を失い、やがては怒りの化身となって、自分自身や大切な人(家族)に襲いかかることになるかもしれません。』

(『お母さんはしつけをしないで』長谷川博一先生 著より引用)



子どもの頃の「甘える体験」は、重要だということです。


それでも私は、仮に子どもの頃に「甘える体験」が十分にできなかったとしても、大人になってからでもそれを満たすことは可能だと思っています。


なぜなら、よく言われているように、”潜在意識には時間も空間もない”からです。


大人になってからでも、子どもの頃の自分(今ここにいる自分が感じている子どもの頃の感情)を癒すことはできると思います。


私自身は、話を何でも聴いてくれるような相手がいませんでしたので、自分自身でイメージ・ワークを行いながら、子どもの頃の自分を癒すということを体験してきました。


※今日は、イメージ・ワークの詳細については採り上げません。


※効果については、個人差があると思います。


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さて、カウンセラーを目指す者としては、手法などの知識や技術はもちろん大切ですが、それ以前に人間としてどうあるかも大切です。


特に、クライエントに「甘える体験」をしてもらえるようなカウンセラーになるには、どうあればよいのか、それについて書かれているところを引用します。



『「母性」という一般的な表現がありますね。

これは字句通りの「母親の性質」を意味しているわけではありません。

無精ひげをはやした男の人にでも、母性豊かな人がいます。


母性とは、対人関係のあり方の一つの典型です。

「わかる」「認める」「受けとめる」「許す」「包みこむ」などと言いかえられる姿勢のことです。

この関係の中では、たとえ社会通念上は認めがたいことがあったとしても、「いいよ」と言って一時的に棚に上げることができるのです。

だからこそ影の部分も含めて、母性的な人には無防備な自分をさらけだすことができるのでしょう。』

(『お母さんはしつけをしないで』長谷川博一先生 著より引用)



母性豊かな人間でありつつ、クライエントの感情に巻き込まれないように客観性も維持できる、そんなカウンセラーになって、


クライエントに無防備な自分をさらけ出してもらい、子どもの頃に満たされなかった「甘えの体験」を十分してもらうことができるようになりたい。


そう願いつつ、必ずなります。



今日も、ありがとうございます!


寒いので、暖かくしていてくださいね!凍らないように!



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