それは共感? (『新版 カウンセリングの話』で学ぶ②) | あがり症・パニック症・対人恐怖は「あるがまま」で克服できる!

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こんばんは~。


今日は、カウンセリングの基本中の基本とも言える”共感”をテーマに書いていきます。


このテーマは、これまでも何度か採り上げてきましたが、非常に誤解しやすいところなので、繰り返し学んでいこうと思います。


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まずは、本より、”共感”についての説明を引用します。



『ロジャーズは、カウンセリングの第一歩は、共感的理解に始まると述べた。

そして、それは、頭で相手について理解することでも、相手に取り込まれて理解することでもないことを強調した。


それは、「あたかも相手の気持ちになったように」理解することであり、「相手の内側から相手をとらえよう」とすることだという。


それは、次のような例で考えるとわかりやすいかもしれない。

私の友人が、共感について説明しようとして出したたとえである。


冬の寒い日に、川の中で藍染めの反物をさらしている人がいた。

川の中まで入ってその人に「冷たいね」と言う人は、同感している人といえる。


しかし、川の中には入っていかないが、川の中の人のしぐさや顔つきをじっと見つめ、そしてその人との言葉のやりとりをする中で冷たさを実感としてわかり、「冷たいでしょうね」と心から言える人は、共感している人である。


すなわち相手の感じが、相手の枠組みに沿って、その人のようにわかることが共感であり、その能力こそが、カウンセラーにとって大切であり、必要なのである。

(『新版 カウンセリングの話』平木典子先生 著より引用)



「あたかも相手の気持ちになったように」


この言葉は、いろいろな本に載っているおなじみのものですが、私のような勉強中の人間にとっては、今ひとつピンと来ません。(私だけ?)


これだけだと、具体的にどんなことなのかが分かりにくいのですが、上記引用文の後半で、分かりやすく説明がされていますニコニコ


カウンセラーは、川の中には入っていかないこと、そして、川の中にいるクライエントのしぐさや顔つき、言葉のやりとりなどから、実感として冷たさを理解することが大切です。


ここで、もしカウンセラーが、一緒に川の中に入ってしまうと、それは一見優しい行為のように見えますが、結果的にはクライエントを傷つけることになってしまうと思います。


その理由を下に並べます。



”川の中に入る”という行為は、”同感”あるいは”同情”であり、ロジャーズの言う”共感”とは別物である。


”同感””同情”をしてしまうと、傷をなめ合うだけの関係になる恐れがある。そうなると治療過程は促進されない。


”同感””同情”をしてしまうと、クライエントから、過度の依存性を引き出してしまう恐れがある。


★ また、クライエントに、カウンセラーに対する万能的期待(幻想)を抱かせてしまう恐れもある。


★ クライエントの依存性万能的期待の傾向は、どんどん強くなるが、それに応え続けることは無理なので、結局クライエントを傷つけてしまうことになる。



上記以外にも、カウンセラーの精神の健康を維持するためにも、正しい

”共感”を身に付けて、決してそこから外れないことが大切だと思います。


あくまで、クライエントの心情や感情に巻き込まれずに、クライエントの洞察を深め、治療過程を促進させること。


それが、カウンセラーの役割だと思います。



今日も、ありがとうございます!


皆さまの明日が、愛と感謝で満たされた一日となりますように!



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