クライエントの期待しているもの (『カウンセリングの実際問題』で学ぶ①) | あがり症・パニック症・対人恐怖は「あるがまま」で克服できる!

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こんばんは~。


昨日、現役のカウンセラーさんから、実際の現場での問題点について聞くことができましたので、それについて書きますねニコニコ


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お話を聞けた時間がとても短かったので、限られた内容になりますが、生々しいお話が聞けました。


たぶん他のカウンセラーさんが聞いても、「分かる分かる!」って思える内容なのではないかと思います。


内容は、以下の4つです。



①多くのクライエントやその家族は、直ちに治ることを要求してくる。


②入院している患者は、週末に自宅に戻る度に、症状を悪化させて施設に戻ってくることが多い。


クライエントの症状が軽くなることを家族が妨害するケースがある。

その背景としては、実質崩壊している家族関係が、クライエントの世話をするという家族共通のテーマを持つことにより、かろうじて保たれている場合が多い。


④カウンセラーの心を、健康な状態で維持するのが大変



上記のうち、②③は、家族もカウンセリングを受ける必要のあるケースです。

④については、カウンセラーが自身の心の問題をあらかじめ解消しておくことや、スーパーバイザーのカウンセリングを定期的に受けること、そして日々の気分転換をしっかりとすることなどが大切だと思います。


②③④は、今後詳しく採り上げることにして、今回は①をテーマに考えてみます。


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『カウンセリングの実際問題』にも、①と同様の内容が載っています。



『クライエントは、人格の変化というようなことは考えていなくて、ともかく一刻も早く治りたい、悩みを解消したいと思っています。

たとえば対人恐怖で外出できない人であれば、まじないでも何でもよいから、明日から外へ出るようになりたいと思っています。

ところがすでに述べてきたように、カウンセラーは直接的な解決策のないことを知っているからこそ、悩みの背景の方へまわろうとします。

実際には、カウンセラーが聴く態度をとっているとクライエント自身が、その道へと進んでゆくのですが、これはクライエントの最初の期待とは異なる道に行っているのです。』

(『カウンセリングの実際問題』河合隼雄先生 著より引用)



カウンセラーにとって当たり前の進め方が、クライエントにとっては、期待とは異なる進め方になるのですね。


確かにクライエントの立場からすると


「早く治してくれって言っているのに、カウンセラーは話を聴くばかりで何もしてくれない。」


そう思われても仕方がない部分もあるのかもしれません。


では、そう思われてしまった場合、どうすればいいのでしょうか?



『この場合は、まず、クライエントの抱いている不満感を受けいれることが大切です。』

(『カウンセリングの実際問題』河合隼雄先生 著より引用)



クライエントの不満感を、自己弁護せずにそのまま受けいれることで


「このカウンセラーは、どんなことでも真剣に聴いてくれる人だ。」と、クライエントに感じてもらうこと。


それが、カウンセリングを進めていくにあたっての、大切な土台になるのではないかと思います。


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今日の内容は、カウンセリングの現場で、日常的に起きていることだと思います。


そして、クライエントは、ひとりひとり違います。


だから、マニュアル的に覚えるのではなくて、「自己弁護せずにそのまま受け入れる」という部分を徹底していこうと思いました。


今日も、ありがとうございます!




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