12年前の6月、両親とノルウェーを旅しました。
 
小学生の頃、姉がシャーロックホームズにハマり、イギリスという国があるのだと知りました。
地図を眺めることが好きだった私はそのイギリスよりもっと端にも(メルカトル図法なので)国があることを知りました。それがノルウェーです。
 
ここにも人が住んでいて、生活をしているんだ、それってどんなだろう?とワクワクしたのを思い出します。
 
 
 
12年前の私は、子供ができないことに落ち込み、前世で子だくさんで次は夫婦でゆっくりしたいと望んできたのかも、とか今世では無理そうだから来世では子供を産んで育ててみたいな、などと考えていました。そう思うことで納得しようとしていたのだと思います。
 
そんな時、ノルウェーは今回の自分の人生で行きたいと思いました。「陰極まりて陽となる」という言葉がありますがそんな感じでした。
夫に、いつか…のつもりで伝えたところ、「俺は一緒に行けないけれど、それでいいなら今行くのがいいんじゃない?」(その頃私は働いていませんでした)と背中を押してくれました。
 
北欧3か国をめぐるツアーが大半だった中で、その話をした3か月後にノルウェーだけを巡る少人数のツアーがあったのもラッキーでした。
体調は不安定でしたが、行けさえすればあとは寝ていてもいい、空気に触れられればいい、そんな気持ちでした。
 
一人参加を心配したお姑さんが母と一緒に行くことを勧め、それを聞いた祖母が父も行ったらいいと後押しし、両親との3人旅になりました。
 
移動にかかる時間と、物価の高さはなかなかでしたが、料理も美味しく、景色も最高でした。
ホテルの9階の窓から顔を出してスーハーする私をみて両親が「落ちなさんなよー」とか「好きなんだねぇ…」と話していた光景は、今でも私に幸せな感覚をくれる一つです。
 
お天気にも恵まれました
 
そのほかにも現地の方とのやり取りが印象に残っています。
ホテルで換気口があいたままになっていて伝えたところ「オッケー後で見に行くねー(ガイドさんの通訳あり)」という感じの返事であったり、花屋さんに閉店時間(16時)近くに行ったところ「子どものお迎えに行きたいからもう閉めたいので無理。」と断られたものの、ガイドさんが大切な人の誕生祝いなんだと話すとそれならぜひ持っていってと快く引き受けてくれたということがありました。
 

当時の印象は「客に対して随分フレンドリーだな。」「閉店ギリギリに行って無理をさせたのでは。」と少し違和感があるものでしたが、どこか心地よい感じも残りました。

今思うとそれは接客やマニュアル通りではない「人対人」のやりとりの心地よさであった気がしています。

 

そんなノルウェーでの体験は、折にふれて私のこころのオアシスになってくれているように思います。

 

行ってみたら、と言ってくれた夫に改めて感謝の気持ちがわきました。

それ以来、海外には行っていないのですが、またいつか訪れてみたい場所です。

 

ホームぺージに使用しているこの写真は、ベルゲンの山頂から撮ったものです