ネット上で話題になっていたようですが、
今年の7月23日、朝日新聞「声」に掲載された文章です。
悪口言う人 悪い所持っていく
主婦 織戸 郁子
(神奈川県大和市 58)
私の兄は、両手足が一本もない。私も、一本しか指がない、障害者手帳1級と2級の兄妹です。
私たちが幼い頃は、障害者が外へ出るにも偏見があり、出会う子ども達から、
心ない言葉でからかわれた。
ある時、隣家のおばさんが、
「悪口を言う人が、あなたの悪いところをみな持っていってくれるのよ。」
とおっしゃった。
私たちは、親の熱意と周囲の善意で普通小学校に通った。
いじめられるたび、私は泣きながら
「ありがとう」と言った。
おばさんの言葉が支えだった。気味悪がられたのか、いつかいじめは無くなった。
成人して、ジロジロ見る人に友人が腹をたてると、私は、
「美人だから見ているのよ」と笑う。
兄は、パソコンで仕事をし、大学非常勤講師。
私は、「楽しい人だ」と周囲に言われながら、福祉相談員として忙しい日々を送っています。
人の痛みが分かるのは、その人の使命。
今、いじめられているあなた、どうか、誰かに話して下さい。
一人ひとりは、強くありませんが、見方はたくさんいます。
負けないで!
文章を打ち終えて、胸が一杯になっている自分に気が付きました。
一杯になったものは何か?・・・コトバでは上手く言えませんが、
その何かは、湿度を持ち、いっぱい、いっぱいに膨れて、少し苦しく
何かを訴えているようにも思えました。
織戸さん、大切なお話をありがとうございました