今日、ある音響さんが、フェーダーを動かす時に『念』を入れると音が変わるんだと
おっしゃっていました。
乏しいわたしの知識での説明ですが、フェーダーとは、ボリューム調整をする時の
スライドさせるアレです![]()
ココ
っていう時に「たのむぞ、ここで
」と念を入れて動かすと、
ホントに「よっしゃ~
」っていう音が出てくれるんだそうです。
それは、くたびれかけている機材でも、そんなの関係なく『念』が通じると、
いい音が出てくれるんだそうですよ。
良い音を届ける音響さんは、熟練した技術とセンスと『念』が必要なんですね![]()
わたしも、絵本を小学校に読みに行ったとき、似たような経験をしました。
そのときは、親御さんも参加の行事でした。
実は、その何日か前に急に声が出なくなって、それは、ラジオ番組を急きょ休まされた
ほど、聞き苦しい声になっていたんです![]()
が、その日は何とか少し良くなったので、
「ごめんなさい、こんな声で・・・
」
と言いながら読ませてもらいました。
読んだのは、絵本「かわいそうなぞう」
この絵本、ホント~にかわいそうなお話で、大人になって本屋で読み返したとき、
まあ、なんと、わたしはその場で号泣しちゃいました~![]()
![]()
で、いざ読むときに思ったのが、(ひどい声だし、喉も痛いしで、)
今日のわたしには、なんにもない。
でも、とにかく一生懸命読ませてもらおう、それしかない
ということでした。
そして、自分でも分かるほど肩に力が入り、下手だけど・・だけど、
「かわいそうなぞう」になりきって必死で読みました。
すると、どうでしょう。。。
読み終えたあと、みなさんの方を見ると、大勢の方がボロボロ、ボロボロ泣いているのです![]()
今まで何度か「かわいそうなぞう」を読んできましたが、
あれほど泣いてらっしゃる方を見たのは初めてです。
そのとき、思いました。
きれいな声や技術的なものが少しでもあると、そこに頼り、
「なりきる」という、ちょっと恥ずかしい照れる部分を出し切っていないんですね。
この「なりきる」という部分が、読み手の…ちょっと大げさに言うと
『全身全霊』、音響さんで言うところの『念』の域で、
それが人の【ココロ】に届くんだと思います
その日のわたしは、一生懸命に読むということ以外、何にもなかったわけですが、
そのことが大切なことを教えてくれました。
『全身全霊』… 最近、忘れかけていたかも。。。![]()
今日、音響さんと話していて思い出しました。
ありがとうございました![]()