オヒョイさんに想うエンディングのこと | こころのひと休み保健室

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今日は。スタッフのChiekoです。

 

俳優の藤村俊二さんをご存知ですか?

お若い頃は、アフロヘアがトレードマーク。

その後はきれいな白髪になられて、いつも楽しそうな笑顔が印象的な方でした。

現場から“ひょいっ”といなくなるから「おヒョイさん」というあだ名がついたと、

テレビで聞いたことがあります。

 

先日、『オヒョイ 父、藤村俊二』という本を読みました。

2017年にオヒョイさんが亡くなられた後、公式HPに掲載された息子の亜実さんのメッセージがとても印象に残っていたので、図書館でタイトルを見かけた時にすぐに借りたのです。

藤村俊二オフィシャルサイトで、今でもそのメッセージを読むことができます。

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本は、息子さんから見たお父さんが、嬉しいことも葛藤したことも含めて

つづられています。

藤村俊二さんを看取られたのは、息子さんを中心としたご家族でした。

人生の終末期に向かうプロセスの中で、誰もが家族として直面する可能性がある、

“エンディングへの葛藤と後悔”。

さらには、親子として抱えてきた辛さや痛みと、その赦し。

それらが読みやすい文章で書かれていて、引き込まれました。

以下、『』内は本からの抜粋です。

 

口から食事が食べられなくなった時のこと、藤村俊二さんはすでに、

意識状態がかなり悪い状態でした。家族が藤村さんの意思を推定するしかありません。

「胃ろう」を増設するか、「経皮経食道胃管」にするかの選択に迷った息子の亜実さんは、

次のように書かれています。

『できれば手術などさせたくない。不安もある。でもそれと同時に、一番良い方法を選んであげ  

 たいと思うし、少しでも楽にさせてあげたいと思う。

 それらはお互いに矛盾していて、同時に満たすことは不可能で、唯一の解決方法は、

 その状態を受け容れ、いまできることを最大限にやり、自分たちの力の及ばないところは

 自然に任せる、ということしかない』P212

 

看病を続ける中で、亜実さんの心に変化がおきます。

『過去というものは、自分が信じてきたほど絶対的なものではないのかもしれない。

起きた出来事を変えることはできないが、許すことによって過去を手放し、

自由を手に入れることもできる』P208

この境地に至ることができたそのきっかけ、理由、はぜひをお読みいただきたいです。

 

そしていよいよ最期が近づいてきた時には、

『やるべきことはやってきたという自負はあるが、

 だから後悔することはないという感覚とは違う』P232

と。そうなのですよね!やるだけやっても、後悔がゼロにはなりにくい。

 

エンディングにまつわることは、どうしても「縁起が悪い」と避けられる傾向があります。

でも、いざという時の後悔をなるべく少なくしてほしい。

そのためにはある程度準備をしておく必要があると思うのです。

(そういう自分が、きっちりできているかというとそうでもないのですが💦

 

すでに体験された方の本を読むことは、準備の一歩、あるいは抱えている痛みの癒しの一歩、

になるかもしれません。

梅雨に入りましたが、雨の季節もどうぞお健やかにお過ごしください。

 

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