昨日仕事後に 入院している父のところへ顔を出したら
父がすぐさま 私に
「もう、しんどい…
先生たちはデーター的には良い状態になっているというけれど
父さんは ツライ。 胸がツライんだ…。 」
と訴えました。
表情からも言葉からも覇気がなく
精神的にも肉体的にも かなり堪えてきているように感じられます。
そばにいる家族の私達
医師からいただくデータや その時々の状況。
よい方向に向かっているであろうと受け取れるもの。
だけれども、本人が感じているつらさや苦しみは
データ上のものではない。
「大丈夫だよ。 数値的には良い状態だから
カならず良くなるよ。
今は しんどくてつらいかもしれないけど、
父さんの顔はとっても いい顔しているよ。
その顔なら 絶対に大丈夫だよ。」
父の思いをそのまま受け取って
どこかで 前へ向けるきっかけに繋がる言葉になるように
言葉を探してみる。
でも、どんな言葉を選んでかけても
父の顔は冴えない。
「大丈夫、よくなるよ。必ず良くなるから。 信じようね。」
今までに何度も聞いてきた言葉だった。
父が笑顔になる言葉ってなんだろう…
そんなことを考えながら
一昨日 「えりも」に行った時の話をした。
子どもたちが 漁港に停泊している船を見て
「 かっこいい!!!! 」って言ったこと。
私が子ども時代に住んでいた時の家を見てきたこと。
父が生まれ育った広尾の町は 今も何も変わっていない話。
潮の香りが とても心地よくて癒される。
ジジを連れて来なくっちゃ♪ と みんなで話していたこと。
そんな話をしだしたら
身を乗り出すようにして 「ほぉ~~広尾に行ってきたのか?」って
笑いながら 話に参加をしてきた。
すごい!!
あんなに覇気のなかった顔が みるみるうちに
にこやかでイキイキしてくる。
そばにいた 母もびっくり。
しばらくぶりに見た笑顔でした。
今 必要な言葉は
「頑張れ、大丈夫だよ、よくなるよ 」ではないのかもしれない。
もう何度も聞いてきた言葉だから
十分に自分もそう信じ 自分に言ってきた言葉だから…
昨夜 息子とのやり取りの中でも そう感じた。
勉強しなければいけないけれども
漢字を覚えなくちゃいけないけれども
そんなことはわかっている。
でも、必要としている気持ちや言葉は
今 目の前のこなさなきゃならないコトじゃない。
その人が 「 元気 」になる言葉。
漢字を教えながら ちょっとブルーな気分になり始めた息子がいた。
反発する言葉を吐きながら
「もう、やらない!」って投げ出す息子もいた。
押し問答を繰り返しながら
最後に息子はこう言った。
「 ママ 僕のこと好き? 」
「僕は ママが大好きだよ 」って言った。
漢字を覚えるために必要な土台は
教科書を読むことよりも 何十問も繰り返し書き続けることよりも
「ママが僕のことが好き」ってこと。
それを感じながら 何かに向かっていける。
だからこそ がんばろうって やる気が起きる。
人が やる気になる土台。 根っこ。
それは人それぞれ違うかもしれないけれども
頑張るために必要なことは
今 目の前の問題じゃないということ。
元気になる言葉は
時に見えなくて 隠れやすくて
でも
とってもシンプル
そして すぐそこにあるものなのかもしれませんね。