てんてんからのプレゼント その2 | 羊毛フェルト工房 こころもこ <親分の館>

羊毛フェルト工房 こころもこ <親分の館>

羊毛フェルト工房 こころもこ 代表 すぎたまり の活動が中心のブログです。
たまに日常も。。。

吐いたことは以前にもあった。


でもそれは具合が悪くてではなく、変なもの食べちゃった!的なもので

一度きりで、その後はケロリとしていた。


その日、てんてんはあまり物を食べていなかった。

「好きなもの」も数日続くと「いらん!」とプイと横を向くような子。

だから、日中口にしていなくても、夜はがっちり食べるので、さほど気にしていなかった。


「じゃあ、特別にクリーム舐めさせてあげようか?」

てんてんは実はクリームが大好き。

ケーキを食べた後のお皿なんて見つけようものなら

ピカピカになるまで舐めあげる。


自分が食べていたシュークリームのカスタードクリームをごく少量舐めさせてやった。

勿論、てんてんは喜んで舐めた。


その後だった。

ケッケッケッケッケと体が波を打った。

そして頭を思い切り振って、口の中のものを出した。


大変なことが起きたと思った。

吐いた後、ぐったりして私に体を預けた。


その日は、何を食べても吐いた。

そしてぐったりと2時間は寝てしまう。


折角、皮膚が良くなってきたのに、体の中で今度は何かが起きている。


吐くようになってから、てんてんは私から片時も離れたくないようだった。

ちょっと着替えるのに床に置いただけで、私を探した。

そして、とにかく私のニオイのついているものにしがみついた。


ここ数日は、毎日、仕事場にもつれて着ているのに、

「てんてんも行きます!」と言わんばかりに、私のショルダーバックに潜り込んだ。


点滴。吐き気止めの効果が現れる日もあったけど、

結局、ナシ以外は口にしなくなり、眠ってばかりになった。


お客様の施術の時も、仲良しに限りだけど、バンダナをウエストポーチのように

結び、てんてんを中に入れたまま仕事をした。


とにかく、離れることをイヤがった。


一昨日。てんてんの白内障の目が黄色になった。

黄疸だ。。。。


ああ。肝臓まで。。。


昨日、法事から帰ってくずに病院へ向かった。

先生は点滴に肝臓のお薬も混ぜてくれた。


新しい肝臓のお薬もどれくらい苦いか、自分で飲んでみてくれた。

てんちゃんが苦いお薬を全く飲まないのを知ってるから。ありがたかった。


「てんてん。ナシは凄い勢いで食べるんですよ。多分、今も食べます。」

寝ているてんてんの鼻先にナシを近づけると

てんてんはむくっと起きて、シャリシャリと元気に食べる姿を先生に見せた。


足にも力がある。


先生も「食欲もあるし、足に力もあるし、まだ大丈夫!」と言ってくださった。


私もその言葉に安心した。

てんてんには「生きよう!」っていうファイトがある!

気力があるうちは大丈夫!!

そう思っていたかった。


家に着いたのは午後3時半過ぎくらいだったろうか?

「先生もまだ大丈夫って言ってくれたよ!」母にそう話し、気分よく

私はてんてんをそのままプラケースに寝かせたまま、自分の仕事を始めた。


点滴も打ったから安心していた。


6時をまわり、そろそろ、てんてんを抱っこしてやろうとプラケースを覗いた。


あれ?

寝ているはずのてんてんがプラケースから出してのポーズのまま固まっていた。


「てんちゃん!!」

慌てて、抱っこすると息はしているけど冷たくなっている。


「ごめん!ごめん!気付いてあげなくて!」

私はてんてんをさするように撫でた。

いつもするように、頭の上にキスを沢山した。


半分仮死状態だったてんてんが徐々にこちらに戻ってきた。

私の声やキスの振動に反応し始めた。