確かに若くないけれど | 心の風景

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 先日欧州議会の選挙が行なわれました。

 

 それに関連して、「大下容子ワイドスクランブル」で、フランスの国民連合という大きな政党の党首が28歳であることを紹介しました。他のフランスの政党でも20代30代が党の顔になっていることを取り上げ、日本との違いをしきりに強調していました。よく言われることです。

 

 確かに日本では60代以上が実権を握っている場合が多いですね。その弊害もあると思います。柔軟な発想ができないとか、能力が正当に評価されないとか。私ももう少し何とかならないか、とは思っています。しかし、この現象は国民性から生じているような気がするのです。

 

 まず長幼の序を重んじる儒教の教えが浸透していること。ですので、どんなに優秀でも、若者が年長者に命令したりするのは難しいんですね。

 

 もう一つ理由があると思います。日本は大陸の端にある島国で、文化や言語を異にする異民族に支配されたことがほぼないという非常に安定した珍しい国です。

 

 ですので稲作をはじめとして、大体毎年同じことをやって生活できました。若い人は先輩のやり方を受け継いでいけば間違いなかったんですね。ですので、年長者が尊敬されてきたのです。

 

 こういう国でいきなり20代を指導者にすえたりすれば、年長者の猛烈な反発が起きます。そもそもそういう動きは事前につぶされてしまうんですね。というわけで、政治家などはいつまで経っても高齢者が力を持っているのです。

 

 ですので、外国の指導者が若いからといって、日本が直ぐにそれをまねできないのは仕方ない面もあると思います。それに長幼の序を守っていれば、波風が余り立たず、いつかは自分も上に立てるという長所もあります。実力主義はどうしても勝者と敗者を生みますからね。

 

 ただ、世界では変化が非常に激しくなってきて、その中に組み込まれた日本もそれに対応せざるを得なくなってきています。昔に比べれば、企業では若手が抜擢されたり、若者が起業したりと、変化は見えるようになってきました。

 

 ただ伝統の力の強い日本が完全に実力主義に変わることはないかもしれませんし、変わるとしても相当な時間がかかると思います。