地方医療の崩壊ー釧路 | 心の風景

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ネット上で「釧路管内で精神科の閉院や縮小が相次ぎ、外来の新規患者の診療が3カ月~半年、予約待ちの状態が続いている」という記事を見ました。半年待ちとは、医療崩壊と言うしかなく、ゆゆしき事態です。

 

目立たない地方の記事なのにコメントが1200件もあります。コメントは全国各地から、医師や患者からもあります。危機感がみなぎっていますね。人口減や医師の都会集中などが原因のようです。解決策は私などが口出しする資格はありません。

 

ところで、コメントのごく一部に、なぜか釧路批判のようなものが混じっていました。「精神科」からの連想ではないかと思います。私は釧路には少々縁があります()ので、ものを言いたくなりました。

 

問題のコメント群は、釧路住民の人格批評です。一番はっきりしていたのは「驚くべき冷たい人間性」という表現です。他のコメントにも主に「冷たい」「暗い」関連の言葉が使われています。

 

まあ、ずいぶんと否定的な評価ですが、本当にそう感じているのなら仕方ないとも言えます。

 

ですが、そういう人間性の原因として、釧路の気候を挙げる傾向があるんですね。釧路の寒さや霧や夏の日照時間の短さです。こういうものが住民の人柄をつくっているという訳です。

 

気候が性格に影響を与えるのは間違いないと私も思います。ですが、自然に善悪はありません。気候で性格が悪に傾くものでしょうか。もしそうなら、もっと過酷な地域の住民は、もっと人間性に問題があることになります。ですが、そんなことは聞いたことがないんですよね。

 

北極圏のイヌイットなどは釧路どころではない厳しい環境に住んでいますが、小説ではありますが、『アラスカ物語』を読んでも、特別問題があるとは思えませんでしたけどね。

 

 私はただの旅行者ですから、住民の人間性についてなど、恐ろしくて意見を言えませんが、少なくとも気候と結びつけることには、慎重であった方がいいと思います。気候に影響されて偏見が生じている面はないでしょうか。