破局へのレール | 心の風景

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ブログの友人が盛んにウクライナでの戦争を取り上げて、太平洋戦争を引合いに出したりしていたので、私も持論をちょっと述べました。こちらにもそれを書き留めておきます。

 

友人は、太平洋戦争でアメリカとの戦争は何が何でも避けるべきだった、という主張なんですね。

 

それには同意します。でも、政府がアメリカの要求を受け入れて、中国から撤退すれば、「これまでの犠牲は何のためだったのか」などと軍や大衆の猛反発を食らい、反乱を起こされ暗殺されるかもしれません。そこまでの危険を冒して、アメリカの要求をのむだけの胆力のある人は政府にいなかったのだろうと思っています。

 

ここからは私見なのですが、そもそも明治政府が破局へのレールを敷いたような気がしてなりません。

 

1868年に成立した明治政府は、欧米との間の不平等条約に苦しんでいました。ところが朝鮮に対しては武力で圧力をかけて開国させ、1876年には不平等条約を結ばせているのです。当時は今以上に弱肉強食の世界だったので、こんなことは当たり前だったのかもしれませんが、道義的には頂けませんね。

 

これが明治政府の姿勢であり、のちの朝鮮や中国への侵略の出発点だったと私は思っています。後の世代はこの路線を引き継ぎ、戦争に勝って列強の仲間入りをし、海外領土を広げたものの、ついには太平洋戦争で負けて、破滅するわけですね。

 

私のまだ知らない事情があったのかもしれませんけど、朝鮮半島に武力を背景に進出していったことがすでに間違っていたと現時点では思っています。