スピッツの思い出 | 心の風景

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心のあり方や生き方をテーマとしたエッセイなどを載せていきます。同好の方と交流できればうれしいです。

ブログ友達の愛犬がいよいよ危ないという記事が出ました。近所の人たちに会いに来てもらったそうです。

 

私はその愛犬に会ったことはないのですが、長年写真で顔なじみで、別れを思うと心が痛みます。友人の心情は言うまでもありません。

 

 

私と犬との関わりは余り強くなく、幼い頃に親が飼っていただけです。私は5歳以下だったと思います。犬種は当時人気の白いスピッツ。名前はルミです。

 

その姿と甲高い声は覚えていますが、私がルミをどう思っていたのか、どんな風に接していたのかは覚えていません。母によると、私はルミの目に指を突っ込もうとしたそうですが、その母の証言さえぼんやりとしています。

 

 

ある朝、庭から母の声が聞こえました。「あら、死んでる」。それだけは印象に残っています。

 

私はルミの死を悲しんだ記憶がありません。まだ死というものがよく分っていなかったのかもしれません。ですが、ルミが急にいなくなってしまったことが不思議でならず、何か物足りなさを抱いていたような気がします。

 

しばらくしてから大通りでスピッツを抱いた人を見かけて、母に「あれ、ルミ?」と聞きました。その自分の言葉を今でもはっきり覚えています。